2016年8月2日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部
NASCARスプリント・カップ・シリーズ第21戦ポコノ
霧による視界不良で短縮終了。“トヨタ カムリ”は3台がトップ10フィニッシュ
“トリッキー・トライアングル”ポコノで行われたスプリント・カップ・シリーズ第21戦は終盤コースが霧に覆われ視界不良のため短縮終了。追い上げを狙っていた“トヨタ カムリ”勢は7,8,9位と不本意な結果に終わった。
8月1日(月)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第21戦『Pennsylvania 400』が開催された。“トリッキー・トライアングル”と称される、独特の三角形レイアウトのポコノでは、年に2戦レースが行われており、今大会は6月の第14戦に続く今季2戦目。このコースはデニー・ハムリンが得意としており、トヨタ移籍以前も含め4勝を挙げている。また、昨年の夏大会ではマット・ケンゼスが勝利している。
決勝レースは7月31日(日)に予定されていたが、降雨のために翌日に順延。翌8月1日(月)正午過ぎに2.5マイルトライアングルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振られた。
今季3度目のポールポジションからスタートを切ったマーティン・トゥルーエクス・Jr.は、2番手、4番手スタートのハムリンとカール・エドワーズを従え序盤戦首位を快走。しかし、15周目に出されたコンペティション・コーション(主催者による予定の上で出されるコーション)からの再スタート時にタイヤトラブルに見舞われクラッシュ。ガレージでの修復を余儀なくされてしまった。
1周が2.5マイル(約4km)と長く、周回に50秒以上かかかるポコノでは、グリーンフラッグ下のピットストップでも周回遅れになりにくいため、様々なピット戦略が採られる。また、レースが折り返す頃には雲が厚さを増し、85周目には降雨によるイエローコーションと天候も不順に。幸いこの雨はすぐ止み、レースは再開されたが、後半戦へ向け、天候を睨みながらピット戦略に悩まされる戦いとなった。
ポコノは燃料をフルに入れて35周前後走れるため、トップ5圏内を走行していたトヨタ勢は122周目過ぎからグリーンフラッグピットへ。しかし、130周を過ぎたあたりからコース上を非常に濃い霧が覆い始め、視界不良のためにイエローコーション。6周にわたってコーション下での走行が続けられたが、138周目についに赤旗が出され、全車ピットロードに停止。その後も天候の回復を待ったが叶わず、レースは138周目をもって成立、短縮終了となった。
早めのピット戦略で終盤の追い上げを狙っていたトヨタ勢だったが、ハムリンが7位、エドワーズが8位、カイル・ブッシュが9位と、3台がトップ10フィニッシュという結果に留まった。
次戦第22戦は8月7日(日)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレンのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「我々の“トヨタ カムリ”はとても好調だった。特にスタートして数周が速く、その後は若干速度が鈍ったが、それでもトップ3か4の速さはあったと思う。悪天候による終了は残念だが、これは典型的な山の天気だ。特にこの季節は急な降雨に見舞われることも多い。何度かそれが幸運に繋がったこともあったが、それ以上に天候に阻まれて戦えなかったことがあるのも確かだ」
ドライバー カール・エドワーズ:
「我々の“トヨタ カムリ”は8位という結果以上の速さを持っていた。それだけにレースを続けたかった。月曜日にもかかわらず信じられないほど大勢が集まってくれて、赤旗中断中も辛抱強く待ってくれたファンのためにも、霧が晴れて欲しかった。我々の“トヨタ カムリ”は速かったので、終盤追い上げるつもりだった」
■NASCAR第21戦ポコノ レースハイライト
NASCAR XFINITY SERIES
第19戦 US Cellular 250
開催日:7月30日
ルーキーのエリック・ジョーンズが今季3勝目
7月30日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第19戦『US Cellular 250』が米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催された。
アイオワは2006年にオープンしたばかりの新しいサーキット。カップ・シリーズ戦は行われておらず、エクスフィニティ・シリーズが年2戦、トラック・シリーズが年1戦行われている。
30日(土)の決勝前、午後3時15分から行われた予選では、シリーズフル参戦2年目、ランキング首位につける24歳のメキシコ人、ダニエル・サレスが今季2度目、通算5度目のポールポジションを獲得。昨年ルーキーながらキャンピング・ワールド・トラック・シリーズチャンピオンに輝き、今季よりエクスフィニティ・シリーズにフル参戦している20歳のエリック・ジョーンズが2番手。ダコダ・アームストロングが自己最高位となる3番手グリッドにつけ、“トヨタ カムリ”がトップ3グリッドを占めて決勝のスタートを切ることとなった。
午後7時14分に0.875マイルオーバルを250周(218.75マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。2番手スタートのエリック・ジョーンズが、2周目にポールポジションスタートのチームメイト、ダニエル・サレスをかわして首位に立つと独走態勢に。
中盤まではエリック・ジョーンズとサレスが1-2体制で推移。後半戦に入ると、ピット戦略の違いで順位が入れ替わり、サレスは7番手から再スタートを切ったが、前車が加速せず追突。冷却系にダメージを負い、無念のリタイアとなってしまった。
残り93周での再スタートを2位で切ったエリック・ジョーンズは、首位を追い続け、残り16周で逆転。燃費的に厳しい残り周回ながら後続を引き離し、3秒以上の大差をつけてトップチェッカー。今季3勝目を挙げた。トヨタは前戦までのカイル・ブッシュの3連勝に続く4連勝で、今季シリーズ11勝目となった。
サレスは30位という結果に終わり、ランキングでは2位に後退。しかし、既に1勝を挙げ、“チェイス”入りは確定している。
3番手からスタートを切ったアームストロングは、一時トップ10圏外まで順位を落としたものの、終盤のグリーンフラッグランでじりじりと順位を上げ、キャリア初のトップ5フィニッシュを果たした。
次戦第20戦は8月6日(土)、ワトキンス・グレン・インターナショナルでロードコース戦が行われる。
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「チームが最高の“トヨタ カムリ”を仕上げてくれて、素晴らしい一日になった。今夜の我々は誰にも負ける気がしなかった。そう思える車両でレースが出来るのは最高だ。6月のレースでここに来た時から勝てると感じていた。あの時は速さを見せられながらもトラブルに泣いたが、今回雪辱が果たせて嬉しい」
<エクスフイニティ・シリーズの“チェイス”>
今季よりエクスフィニティ・シリーズと、キャンピングワールド・トラック・シリーズでもプレーオフ“チェイス”システムが採用されることとなった。エクスフィニティ・シリーズでは、全33戦のシーズンのうち、終盤の7戦でタイトルを争う。 26戦が終わった時点で全レースに出場(負傷欠場などを除く)し、ランキング30位以内に入った上で、シリーズ戦に勝利したドライバーとダッシュ4キャッシュ獲得ドライバー、そして未勝利でランキング上位の12名が“チェイス”に進出。
“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの2ラウンドを戦い、各ラウンドごとにランキング下位4名が脱落。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。
■NASCAR XFINITY 第19戦 US Cellular 250 レースハイライト
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第12戦 Pocono Mountains 150
開催日:7月30日
18歳のウィリアム・バイロンがルーキー記録更新の5勝目!
“トヨタ タンドラ”トップ4独占
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第12戦「Pocono Mountains 150」が7月30日(土)にポコノ・レースウェイで開催された。
この週末、ポコノではトラック・シリーズとカップ・シリーズが開催されたが、カップ・シリーズドライバーによる掛け持ち参戦はなく、若手勢の活躍が目立つレースとなった。
29日(金)に2度の練習走行を行い、30日(土)午前9時15分から予定されていた予選は、夜通し降った雨により濡れた路面の乾燥のためにキャンセル。練習走行のタイムでグリッドが決定され、今季最多の4勝を挙げている18歳のルーキー、ウィリアム・バイロンがポールポジション。同じくルーキーで19歳のベン・ローズが3番手、今季1勝を挙げている21歳のクリストファー・ベルが5番手からスタートを切ることとなった。
午後1時19分に2.5マイルトライアングルオーバルを60周(150マイル:約240km)して競われる決勝レースがスタートした。この日のレースは、数周毎にイエローコーションが多発。最終的に、コースのシリーズ記録を更新する、9回の合計27周にもわたってコーションが発生するレースとなった。
この荒れたスローペースのレースで、ポールポジションからスタートを切ったバイロンは、度重なる再スタートでも首位をキープ。給油戦略の違いから、26周目、4度目のイエローコーション時にピットイン、給油したことで5位に後退したバイロンだったが、徐々に順位を取り戻していき、39周目に首位を奪還。多発したコーションにも助けられ、その後は無給油で首位を守りきってトップチェッカー。今季5勝目を挙げた。ルーキーシーズンの5勝はシリーズ新記録。
2位には、バイロンと同じピット戦略で走り切った20歳になったばかりのカナディアン、キャメロン・ヘイリーが入った。ヘイリーは今大会の結果、ドライバーズランキングを2つ上げ、“チェイス”圏内へと浮上した。3位にブレット・モフィット、4位にティモシー・ピーターズが入り、“トヨタ タンドラ”はトップ4を独占した。
6位にリコ・アブリュー。10位には、5番手グリッドながらスタート直前のトラブルで最後尾に落ち、その後クラッシュで一時5周遅れになりながらも修復し、後半のコーションで毎回“ラッキー・ドッグ”(イエロコーション発生時の周回遅れ先頭車両が1周救済される措置)を獲得。最後の4周はついに首位と同一周回に復帰してトップ10フィニッシュを果たしたベルが入った。
次戦第13戦は8月17日(水)に米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで開催される。
ドライバー ウィリアム・バイロン:
「これはチームの勝利だ。クルーチーフを始め、ピットクルーも素晴らしい仕事をしてくれた。ここ(ヴィクトリーレーン)に立つのは本当に良い気分だが、それは容易ではない。我々はチャンピオンシップ争いにおいても良いポジションにいると思う。先週(エルドラのダートレース)は苦戦したが、舗装コースでのレースに戻る準備は出来ていたし、いつも通りに戦った。そしてこの素晴らしいチームと共にまた勝つことが出来た」
<キャンピング・ワールド・トラック・シリーズの“チェイス”>
今季よりエクスフィニティ・シリーズと、キャンピングワールド・トラック・シリーズでもプレーオフ“チェイス”システムが採用されることとなった。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは、全23戦のシーズンのうち、終盤の7戦でタイトルを争う。
開幕からの16戦全ての決勝に出場し、ランキング30位以内に入った上で、シリーズ戦勝利を挙げたドライバーと、ランキング上位のドライバーから8人が選抜される。“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの2ラウンドを戦い、各ラウンドごとにランキング下位2名が脱落しポイントをリセットして次ラウンドに進む。
■NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES 第12戦 Pocono Mountains 150