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『家族はつらいよ』続編の製作が決定 山田洋次監督「笑える映画を作ることは昔からのぼくの夢」

2016年08月03日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

家族はつらいよ』(c)2016「家族はつらいよ」製作委員会

 山田洋次監督作『家族はつらいよ』の続編の製作が決定した。


参考:山田洋次監督は“熟年離婚”にまつわる喜劇をどう描いた? 『家族はつらいよ』が伝えるメッセージ


 山田監督が『男はつらいよ』シリーズ終了後、20年ぶりに手がけた喜劇『家族はつらいよ』は、2016年3月に公開され、観客動員人数119万人、興行収入13億円を記録。続編となる『家族はつらいよII(仮題)』は、前作に引き続き山田監督がメガホンを取り、キャストには平田家のメンバーである橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、居酒屋の女将かよ役の風吹ジュンが続投するほか、前作にも出演した小林稔侍が別人役で出演する。


 続編の舞台は、平田周造(橋爪功)と妻・富子(吉行和子)の離婚騒動から数年後。高齢者の危険運転を心配した長男・幸之助夫婦(西村雅彦・夏川結衣)が、周造の運転免許を返上させることを画策する模様や、周造が同級生・丸田吟平(小林稔侍)を自宅に泊めたことから平田家に襲いかかる、さらなる騒動を描く。


 撮影は8月6日にクランクインし、9月下旬にクランクアップ。公開は2017年初夏を予定している。なお、前作『家族はつらいよ』のブルーレイ&DVDは本日8月3日にリリースされた。


■山田洋次監督 コメント


40年以上も前になるけれども、新宿の映画館で『男はつらいよ』第1作を、観客が大きな声を出して笑っていたのを昨日のことのように覚えています。「もっともっと作ってくれ、俺たちまだまだ観てやるからな」という声がそのとき、お客さんから聞こえたような気がしました。そして前作『家族はつらいよ』を観たたくさんの方から「面白かった、これはシリーズになりますね」と言って頂きました。それは『男はつらいよ』をつくった時と同じでした。今回もそんな声に後押しされるような気持ちで作ろうと思います。
前回は“熟年離婚”がテーマでしたが、今回のテーマは、“無縁社会”です。
平田家の家族はしょっちゅう喧嘩をするし、家族なんて面倒臭いなぁと思っているんだけども、ある登場人物の悲しい人生、昔は格好良くて、女の子からもモテ、一生懸命働き、順調だったはずの男が、バブルの時代を越えて、どんどん生活が苦しくなり、滑り台を滑るように最後まで行ってしまう、そんな悲しい「死」を目の当たりにすることで、自分たちの幸せに改めて気づき、家族が新たな絆を作っていく、そんなお話です。
喜劇映画では「死」を描くことはタブーだけれども、あえてそのタブーに挑み、その「死」がもたらす、滑稽でバカバカしい大騒ぎを丁寧に描いてみようと思います。
観客は笑いながら、大笑いしながら、格差社会の重苦しさにもふと思いを馳せてくれればいいなと思います。
笑える映画を作ることは昔からのぼくの夢です。笑って笑ってシャツのボタンがちぎれてしまうような、そんな映画こそ作りたいんです。


(リアルサウンド編集部)