FIAは、F1コクピット保護デバイス「ハロ」の導入を2018年に先延ばしすることを発表。来年からの採用を見送ったことに関して、ドライバーからは様々な意見が挙がっている。
FIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングは、ハロの装着で安全性は「17パーセント改善する」と説明しているものの、さらに大きな改善を求め、これからテストを通じて開発を行っていく予定だ。
これまでには3人のドライバーが、インスタレーションラップで走行。今季、残りの9レースで全ドライバーにテストさせることを計画している。
今回の決定に対する、ドライバーの声を紹介しよう。
ルイス・ハミルトン
「なぜ来年採用されないのか、よくわからない。もし事故が起これば後悔することになるだろう。来年も開発を続けてほしいけど、17パーセントの安全性の改善は、来年末までには30~40パーセントぐらいにはなってほしいね。採用することは決まっているし、いまから来年に向けてクルマに取りつけられる機会もある。いずれにせよ、決定するまで誰も怪我をしてほしくないよ」
セバスチャン・ベッテル
「スパかモンツァで、一度どこかのセッションでテストする機会があるかもしれないね。来年採用する可能性は、まだあると思う。結局、他のデバイスを試すことになるかもしれないけど、現状でみんなが問題ないと言えば採用してもいいと思う」
フェリペ・マッサ
「まだ試していないから、何が正しいのかはわからないよ。ただ、スパのように高低差があるサーキットでは視認性の問題もあるから、テストすべきだと思う。もし何も問題なければ採用してもいいはずだ。見た目がひどいとかそういうことではないし、安全が重視されるべきだ。見た目は慣れていくと思う」
ニコ・ロズベルグ
「週末にテストしていたし、スパや他のサーキットでもテストできるから、延期の決断は理解できないね。とにかくドライバーの賛同が必要で、できるだけ早くクルマに装着すべきだと思う。安全性の向上に関して大きなステップになると思うし、来年からの採用がなくなるのは残念に思うよ」
ジェンソン・バトン
「ハンガリーGPの週末に、FIAと45分間におよぶポジティブな議論を行った。ネガティブな話にはならなかったよ。とはいえ、まだ十分なマイレージを積めていないのが現状だ。だから来年の採用は少し早い気がする。このようなデバイスを採用するのは良い案だと思うけど、きちんとテストする必要がある。安全性を重視するのであれば、正しい決断が求められるからね」
ダニエル・リカルド
「もしベストな解決法が見つからなかったら、中途半端にせず、きちんと時間をかけて準備することが大切だ。だから今回採用が延期になったんだと思う。重要なデバイスだし、クルマに合ったものを使いたいからね。時間が必要だというのは僕も理解している。F1にとってまったく新しいものだし、短期間で考えられたものではないんだ」
ダニール・クビアト
「F1は最高峰のカテゴリーだし、中途半端なものはダメだよね。ハロの見た目は良くないけど……個人的にF1マシンはすでに高い安全基準を満たしていると思うから、絶対に採用したいとは思わない」