トップへ

フォルクスワーゲン WRC第8戦フィンランド レポート

2016年08月01日 18:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

WRC第8戦フィンランド ヤリ-マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
Press Information
2016年8月1日(月)
フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社

ラリー・フィンランドでラトバラ選手が2位フィニッシュ

・ヤリ-マティ・ラトバラ選手が母国開催のラリーで2位表彰台を獲得。
・ドライバーランキングはフォルクスワーゲン勢が1位から3位までを独占。

 2016年世界ラリー選手権(WRC)第8戦『ラリー・フィンランド』は、7月28日~3 日に学園都市、ユバスキュラを中心に開催されました。フォルクスワーゲンモータースポーツのポロR WRCを駆るヤリ-マティ・ラトバラ選手は、この母国イベントで2位表彰台を獲得、ドライバー・チャンピオンシップでも総合3位に浮上しました。

『ラリー・フィンランド』は、高速セクションと低速テクニカルセクションがバランス良く組み合わされたグラベル(非舗装路)ラリーです。“森林のF1”、“フィンランドGP”、“4輪のエアレース”などの異名が示すとおり、WRC随一の超高速イベントであるとともに、名物スペシャルステージ(SS:競技区間)『オウニンポウヤ』では、何度もマシンが宙を舞い、50メートル超の最長不倒距離が記録されたこともあります。ジャンピングスポット直後にコーナーがあることが多く、適切なポジションから“離陸”しなければなりません。

 先が見通せないクレスト(起伏)も多数存在するため、レッキ(事前走行)中にペースノートを完璧に仕上げる必要があります。伝統的に北欧勢が強いイベントであり、北欧以外では5名のウィナーしか誕生していません。オジエ選手は、その数少ない例外のひとりです。

 今年の『ラリー・フィンランド』は、総走行距離1,370.66km、24カ所のSSによる競技区間距離は333.99kmです。湖と針葉樹林による美しい風景をラリーカーが猛スピードで駆け抜けるシーンは特に人気が高く、毎年50万人もの観客が詰めかける北欧最大のモータースポーツイベントです。

 本格的な競技は金曜日に始まりました。いきなりファンを魅了したのは、地元開催に燃えるラトバラ選手とクリス・ミーク選手(シトロエン)でした。ふたりはコンマ数秒単位の戦いを続け、前日のSS1を含めた12カ所のSSのうち、7カ所でトップタイムを記録しました。

 路面掃除役を担当させられたオジエ選手は、SS10のヘアピンで足元を掬われて溝に転落、16分を失いました。本来であればそれ以上のロスが考えられる状況でしたが、ラリーを良く知るフィンランドのファンが彼をサポートして、マシンをコースに戻しました。しかし、事実上これで表彰台フィニッシュはなくなってしまいました。ミケルセン選手は、交差点でスタックしてタイムをロスしましたが、表彰台のチャンスが残される順位につけています。

 土曜日のSSも、150km超の長丁場です。しかし、名物SSのオウニンポウヤが含まれており、ドライバーも闘志を燃やしていました。33kmのステージの中に70を超えるジャンピングスポットが存在するだけでなく、瞬間的に速度が200km/hを上回り、ルート全体の平均速度も130km/h超に達します。

 このSSで2度目の不運に見舞われたのがオジエ選手でした。ブレーキ系にトラブルが発生したため、SS終了後のリエゾン(非競技区間)で修復を試みたものの、続くSSスタートへの到着が遅れて2分10秒のペナルティを課されました。これにより、3位争いを展開していたミケルセン選手が1番スタートに繰り上がってタイムロスを被ることになりました。

 自由に走行できるようになったオジエ選手は、SS19で134.63km/hの平均速度を叩き出し、新記録を樹立しました。

 最終日曜日の競技区間はわずか30km強。ラトバラ選手といえども40秒もの差の逆転はむずかしく、着実に2位でフィニッシュしました。ミケルセン選手は7位、オジエ選手は24位で完走しました。

 フォルクスワーゲン・モータースポーツの地元イベント、第9戦『ラリー・ドイチェランド』は、8月18日~21日、世界遺産で知られるトリアを中心に開催されます。

[終了後のコメント]
■フォルクスワーゲンモータースポーツ ディレクター:ヨースト・カピート
「ヤリ-マティは、地元でトップクラスのパフォーマンスを見せてくれました。悲喜交々のイベントでしたが、フォルクスワーゲン勢がドライバー部門のトップ3を占めました。ラリー・ドイチェランドを心待ちにしています」

■カー#1:セバスチャン・オジエ(フランス) 最終結果:24位
「半年以上も路面掃除役をやらされたので、精神的にもかなりタフでした。その役目から開放されるので、ホッとしています。フォルクスワーゲンの地元ラリーが待ち遠しいです。」

■カー#2:ヤリ-マティ・ラトバラ(フィンランド) 最終結果:2位
「地元ラリー3勝目は逃したものの、一貫して好パフォーマンスを見せられました。パワーステージを含めて大量ポイントが獲得できたので、ランキング3位に上がることができました」

■カー#9:アンドレアス・ミケルセン(ノルウェー) 最終結果:7位
「7位という順位に満足しています。いきなり1番スタートを任されて、本当に辛い走行順だと実感しました。限界ギリギリで走行しましたが、思うようなタイムは出せませんでした」