長年に渡りインディカー・シリーズのトップチームである、チップ・ガナッシ・レーシングのメインスポンサーを務めてきたターゲットが、今シーズン限りで同チームとのスポンサーシップ契約を終了すると発表した。
アメリカの小売大手ターゲットは、1990年にチップ・ガナッシ・レーシングのスポンサードを開始し、11回のシリーズチャンピオン獲得、4度のインディ500勝利という実績を残してきた。
「とても困難な決断だったが、我々は27年間に渡り、チップ・ガナッシ・レーシングとともに途方もない成功を収めてきた事を誇りに思うよ」とターゲットの上級副社長はAP通信に語った。
ガナッシはターゲットに感謝し、長年のスポンサーである彼らの決定を支持すると述べた。
「ターゲットは最も大きなスポンサーであり、彼らは私自身の成長と、プロ意識を芽生えさせてくれた存在だ。物事は変わっていくものだし、彼らは異なるマーケティング活動を行い、また名を刻もうと尽力している。彼らはレースの歴史上、最も長く同じチームにスポンサードを続けた企業で、私とチームに多くのものをもたらしてくれた。また、我々も彼らに多くのものをもたらす事ができた」
インディカー・シリーズのCEOを務めるマーク・ミルズは「我々は、インディカー・シリーズとチップ・ガナッシへの27年間に及ぶ、ターゲットの強力なコミットメントに感謝している。幾度にも渡るシリーズ制覇や、インディ500での勝利により、ターゲットのブランドとその象徴的な赤いカラーリングは、我々のスポーツの歴史に不可欠なものとなった」と述べた。
ターゲットは、チップ・ガナッシのNASCARでの活動に関しては引き続き、来シーズン以降もスポンサードを継続する予定だ。
チップ・ガナッシとターゲットの27年
ターゲットは、1990年にエディ・チーバーのドライブするチップ・ガナッシのマシンにスポンサードを開始し、1996年にはジミー・バッサーがチームに初タイトルをもたらした。その後も、1997年と1998年にアレックス・ザナルディが、1999年には当時ルーキーのファン・パブロ・モントーヤがチャンピオンを獲得した。
2000年、チップ・ガナッシはバッサーとモントーヤを擁し、インディ500に復帰した。モントーヤはこの日のレースで独走し、167周ものリードラップを記録。1966年のグラハム・ヒル以来の、インディ500初挑戦での勝利を飾った。
2003年、チャンプカーからインディカー・シリーズに戦いの舞台を移し、その初年度にスコット・ディクソンが自身初のタイトルを獲得。ディクソンはその後2008年、2013年、2015年と計4度のタイトルを獲得し、インディ500でもターゲットカラーのマシンを駆り優勝を飾った。
ディクソンとともに長年チップ・ガナッシのマシンをドライブしたダリオ・フランキッティも2009年から2011年にかけて連続してタイトルを獲得、インディ500でも2度の優勝を飾っている。