イギリス東部、ロータスの本拠地にほど近いスネッタートンで幕を開けたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の後半戦。チームBMRが今季から選手権に投入しているFRのスバル・レヴォーグが、週末のレース1となるラウンド16でシーズン3勝目一番乗りを挙げた。
この日、ポールポジションからスタートしたチーム・ダイナミクスのホンダ・シビック・タイプRのゴードン・シェドンとフロントロウに並んだレヴォーグは、コリン・ターキントンが抜群のスタートを決め、ラップ全周に渡ってバンパー・トゥ・バンパーのバトルを展開。ターキントンのダイブを阻止すべく、常にインサイドラインを意識的に閉めて応戦したシェドンだったが、シビックの背後で左右にラインを振りながら勝負どころを探ったレヴォーグは、8周目のヘアピン手前からシビックのさらに内側をこじ開け、勝負ありとなった。
レース中盤にはジャンプスタートの疑いで5台が審議中となったうちの1台に含まれたターキントンだが、こちらは判定の結果お咎めなし。ターキントンがリードを2.7秒まで広げ、自身で「望外の結果」というシーズン3勝目を挙げた。
「シェドンのシビックは後ろから見てハッキリ分かるほど、毎ラップ毎ラップタイヤの状況が悪化して苦しんでいた。時間がかかったけれど、ヘアピン手前でうまく"スイッチバック"することができたよ」
2位に入ったシェドンのシビックを挟んで、3位には序盤に接触があった影響で右リヤから白煙を上げつつ、なんとかフィニッシュまでたどり着いたマット・ジャクソンのフォード・フォーカスが入った。これでモーターベース・パフォーマンス・チームはBTCCの300戦目の記念レースに華を添えた。
4位にはMGが左フロントのパンクで戦列を去るまで激しいバトルを演じた、シシリー・レーシングのメルセデス・ベンツAクラス。そして、ターキントンのチームメイトであるジェイソン・プラトも、レース終了間際の11周目に、トヨタ・アヴェンシスのトム・イングラムをヘアピンでアウトから豪快なオーバーテイクを仕掛け5位に浮上している。
また、同日のレース2では、フォーカスのジャクソンがターキントンのレヴォーグを退け勝利。レース3では、シェドンのシビックが雪辱を果たして優勝を手にしている。