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対立陣営が間抜け過ぎた今回の都知事選 「厚化粧」発言も小池氏を後押しすることに

2016年08月01日 13:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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いやぁ~、やってしまった。7月31日の20時のことだ。楽しみにしている大河ドラマを観ようと思って、出先から音速で自宅に戻ったところ、何故か選挙速報が放送されていた。そう、この日は19時15分からの放送だったのだ。

せっかくなので、各局の面白い選挙報道をザッピングすることにした。その中でも『池上彰のニッポンの大問題~都知事選スペシャル~』(テレビ東京)がやはり面白かった。(文:松本ミゾレ)

池上彰「厚化粧の女と呼んだ人がいます。『しめた』と思ったんじゃないですか?」

開票早々、当確発表された小池百合子氏に対して、司会の池上彰氏が、「厚化粧」というワードを口にした。

選挙期間中、増田寛也候補の集会に出席した、元都知事の石原慎太郎氏が「大年増の厚化粧がいるんだな」と発言し、物議を醸した。池上氏はこのワードを引用し、「選挙戦の最中に小池さんを厚化粧の女と呼んだ人がいます。『しめた』と思ったんじゃないですか?」と率直に質問をしたのだ。

ご存知のように今回の選挙戦において、小池氏は自民党への都知事立候補の意思を十分に説明しないまま出馬した。それもあり、自民党都連会長にして、前述の「厚化粧発言」をした石原元都知事の息子でもある石原伸晃氏は、小池氏より後に推薦の依頼をされるも、返答を先送りにした。

結局小池氏は推薦を得られないままに正式に立候補を表明。主に自民党が正式に推薦する増田氏、野党統一候補の大物ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏を向こうに回して選挙戦を行うこととなった。

身体的な特徴を中傷のネタにする戦い方は今の時代にそぐわない

女性に対する無思慮な「厚化粧」という発言は、逆に小池氏にとっては追い風となるのではないか。池上氏はそう思っていたのだろう。こういう性差別にも繋がるような発言は、市井の人々の反感も買いやすい。

池上氏の質問に対して、小池氏は「(厚化粧発言は)エールを頂いたようなもの」と回答。その上で「(顔に)あざがありまして、それでも隠してキャスターもやっていたのですが……」と明かす。「あざがある人は苦労している。そういう意味ではぐさっときた」と回想していた。

選挙戦の最中には「厚化粧」発言を受けて、街頭演説では「今日はちょっと薄化粧にしてきました」と気丈に乗り切っていた小池氏だが、勝利の安堵からか、つい本音が漏れた形だ。

都政、国政問わず、こういう戦いになると、しばしば対立候補の身体的な特徴や、持病がネタにされることがある。こういうのは身内で、それも密室でやる分には盛り上がるかもしれないが、大勢の有権者の見ている前では逆効果だ。そんな当たり前のことが分からなかったのだろうか。

自民党が内輪もめしているのに、なぜか勝手に墓穴を掘る鳥越氏

今回の都知事選。終わってみれば石原元都知事の発言は、増田陣営にとっては大きな誤算だったことだろう。誤算といえば、この発言を巡っては鳥越氏も墓穴を掘っていることを忘れてはならない。

「厚化粧」というワードにキャッチーさを感じたのか、鳥越氏は演説の中で「厚化粧の人が核武装解禁ともいっている」という発言をしている。

もっとも、これについては選挙戦をバックアップしていた民進党の蓮舫代表代行から「女性の厚化粧のことは放っといた方が良い」と釘を刺され、鳥越氏は即座に訂正している。でも聴衆の前で、こういう発言をした時点でマイナスであったはずだ。

大体にしてこんな発言、女性差別と指摘されてしまえば逃れようなどない。旧態然とした男尊文化の象徴みたいな老人たちの失言が、結局池上氏の言うところの「しめた」という状況を産み出した要因に思える選挙戦であった。

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