世界ラリー選手権(WRC)第8戦フィンランドは31日、SS21~24が行われ、クリス・ミーク(シトロエンDS3 WRC)が優勝。イギリス人ドライバーとして初めてラリー・フィンランドを制している。
現地29日に行われたデイ2のオープニングステージで総合首位に浮上したミークは、直近のライバルであるヤリ-マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)に対し、デイ2だけで18.1秒のリードを築いてみせる。
その後もミークはラトバラの追随を許さず快走。最終的に29.1秒までリードを広げて今季2勝目、キャリア通算3度目の勝利を手にした。
ミークは「WRCドライバーにとってラリー・フィンランドで勝利することは、世界チャンピオンになるためのもっとも大きな課題だ。この素晴らしいルートで勝利することができて本当に嬉しい」と喜びを語っている。
「今週は走り出しから自信を持って戦うことができた。これは優勝するために、もっとも大事なことだよ」
「最終日は、とてもリラックスした状態で挑むことができた。これまでの仕事を完遂させるために、残りわずかのステージを走り切るだけだったからね」
競技最終日のデイ4は、クレイグ・ブリーン(シトロエンDS3 WRC)とオット・タナク(フォード・フィエスタRS WRC)、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 WRC)らによる激しい総合3位争いが展開した。
前日、わずか9.1秒差だった両者の争いは、タナクがSS21を制して4.4秒差まで接近する。しかし、直後のSS22でタナクは痛恨のクラッシュして、戦線離脱を余儀なくされる。
これでブリーンを追いかける総合4番手にはヌービルが浮上。そのヌービルはSS22、SS24でトップタイムをマークして猛追するが、SS23を制して反撃したブリーンに4.6秒届かず。ブリーンはWRC最上位クラス参戦4戦目で表彰台を手にした。
デイ2でコースオフし、総合56番手まで順位を落とした王者セバスチャン・オジエは総合24位までポジションを上げたものの、ポイント獲得には至らず。ボーナスポイントが得られるSS24のパワーステージでも5位に終わり、今季初めてノーポイントでラリーを終えている。
トミ・マキネンレーシングからWRC2にエントリーしていた新井大輝(フォード・フィエスタR5)と勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は、勝田がクラス優勝したエスペッカ・ラッピ(シュコダ・ファビアR5)から約10分遅れのクラス12位(総合27位)で初のWRC挑戦を終えた。一方、新井はクラス11番手で挑んだSS22でクラッシュ。そのままリタイアとなった。