Q&AサイトのYahoo!知恵袋に、こんな相談が寄せられていました。相談者さんは、入社1年目の社会人。働いているのは小さな会社で、社長室もなく、小さな事務所と倉庫、給湯室にロッカールームがあるだけだそうです。
相談者さんの職場は喫煙者が多く、たばこを吸わないのは15名中、相談者さんを含めて4人だけの少数派。来客もほとんどの人が喫煙していますが、事務所内に仕切られた喫煙所はなく、部屋の隅の灰皿で吸う形になっています。(ライター:Makiko.N)
社長は飲み会で「タバコだけはやめない!」と叫ぶ
喫煙スペースには換気扇もなく、事務所内はタバコの煙が充満。なかでも相談者さんの席は灰皿に一番近く、来店されたお客様がタバコを吸うたびに、うちわで自分を仰ぐふりをして煙を追いやったり、席を立ったりしてやり過ごしています。
それでも入社数か月で咳や目のかゆみなどが増え、精神的にも肉体的にも苦しくなってきました。社長に相談しようにも「俺がルールブック」「俺の言うことは絶対」という、まさに中小企業の社長といった感じの人物で、耳を傾けてもらえそうにありません。
社長は飲み会で「タバコだけはやめない!」と叫ぶこともあるとか。タバコのクレームは「社長を否定するようでなかなか相談できない」と悩み、「どうしたらより良い方向へ持って行きながら、喫煙所を変えてもらうことができるのでしょうか?」と相談しています。
いうまでもなく、職場を含む多数の者が利用する施設での受動喫煙の防止は、健康増進法により義務づけられています。しかし回答者からは「改善は難しいのではないか」という回答が相次いで寄せられています。
「中小企業なんてそんなもんです。我慢するしかありません。あるいはガスマスクをつけてはどうでしょう」(superuserjpさん)
「周りの喫煙率が高すぎだと思います。しかも筋金入り…。小さい扇風機で風向きを変える程度しか…。下手な事いうとクビにされそうですものね…」(Causeroadさん)
「それが世の中。一年目で(苦情を)言えば、そーゆう社長なら嫌われるかもね。会社選んで就業しないと」(tatuo51_0720さん)
経験者は忠告「健康害しても喫煙者は責任取ってくれない」
労基法もそうですが、中小企業はなぜ法律を守らなくても許されるのでしょうか。摘発しようにもあまりにも数が多すぎて困難ではありますが、結局は自分の利益だけを考えるオーナー社長が多いのでしょう。
特に高卒者が学校つながりで就職する場合、数か月で退職すれば「辛抱が足りない」と言われるだけ。転職先も見つけにくくなるという足下を見て、やりたい放題するブラック企業は何とかならないものでしょうか。
「我慢するしかない」という意見が多い中、早めに退職した方がいいという意見もあります。
「私のように身体壊してからでは遅いです。害を撒き散らす当事者(喫煙者)は責任とってくれません。『不快感撒き散らしてゴメン』とすら言えません。だからこそ、貴女が決断して転職すべきだと思います。転職理由は『喫煙環境が整っておらず大変だったから』で」(yk23noさん)
タバコの副流煙を長期的に吸った場合、心筋梗塞や狭心症で死亡する危険性が1.3倍~2.7倍になるという報告も。脳卒中や喘息を引き起こすほか、妊婦の場合は流産や早産、新生児の低体重などにつながるおそれもあるそうです。
自腹で空気清浄機を購入した回答者も
一方で、mi_zu0711さんは自分の経験をもとに「角がたたないように工夫して環境を変えていきましょう!」とアドバイスしています。
「私は花粉症が酷いのを理由に自腹で大きな空気清浄機を購入し、デスク付近にどーんと置きました。タバコのせいとは言わなかったので皆嫌味に受け取ることもなく、むしろ大丈夫?と心配してくれましたから一石二鳥でしたよ。空気清浄機が嫌な人って少ないので、誰も反対することはありませんでしたし」
昼休みに「花粉にイライラして集中できないから買ってきます!!」と宣言して空気清浄機を買いに行ったところ、職場の人は暴走する回答者さんを気の毒がり、ネタとして笑って慰めてくれたそうです。しかし、自腹購入が「上手な工夫」になってしまう中小企業って一体……。
あわせてよみたい:受動喫煙を理由に「会社都合」で退職できる?