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お金払って「恋愛を学ぶ」独身者たち 学費は半年32万円「交際経験ゼロの30~40代が結構いる」

2016年07月31日 18:01  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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若者の恋愛離れが話題となる中、いざ恋愛したくてもやり方が分からず、お金を払って「恋愛を学ぶ」人がいるようです。それで必ず恋愛、結婚できるとは限りませんが、独り身が長い人には必要なのかもしれないと、妙に納得するものがありました。

有料の恋愛講座を紹介したのは、7月28日放送の「おはよう日本」(NHK総合)。番組では、20代での失恋が心の傷になり、恋愛に踏み切れなくなった岩田サトシさん(仮名・41歳)を紹介しました。(文:篠原みつき)

41歳男性「他人からのネガティブな感情を受けたくない」

岩田さんはIT企業に勤務する会社員。交際相手を探すサイトに登録したこともありますが、会う前に年収ではじかれて「恋愛する資格すらない」とすっかり自信喪失。休日は1人で趣味の楽器演奏に浸る日々でしたが、両親に独り身を心配されて講座に申込みました。

「他人からのネガティブな感情を受けたくなかった。シャットアウトしたほうが早いし、楽だという発想になっちゃったんです」

岩田さんが申し込んだ「結婚の学校」(日本婚活教育協会主催)では、20~50代の男女が学んでおり、費用は半年間で32万円。コミュニケーションからデート先の選び方、セックス、相手の家族と付き合う方法などの交際過程のポイントを全てアドバイスします。

この5年で参加者は増え続け、受講者は300人以上。参加者の1人は「恋愛を学べる機会はほとんどないので料金は安いほう」と話します。32万円もあったらそのお金でデートを重ねればよさそうですが、まず参加者は「女性の気持ちがわからない」と弱気です。

講師の佐藤友和さんは「30~40歳半ばまでの方で、交際経験がゼロという方が結構いる」と話し、コミュニケーションの問題を指摘します。

「うまく話せない、自分の意見を伝えられない。だからデートでもうまくいかない。結婚に至らないという方が多い」

41歳女性社長の高望み「年収1000万円以上じゃないと」

女性の価値観が大きな壁になることも。婚活アドバイザーの植草美幸さんが相談を受けるのは、ほとんどがキャリアも収入も高い女性。男性と張り合うクセが抜けず、恋愛の機会を逃しているといいます。

「仕事で戦ってきていますので、男性が目の前に座ると、お見合いの場でもそこがリングになる。会話の中でつい『そうじゃないと思う』と言ってみたり、競争してしまう」

親しくなる前に本音で戦ってしまっては、どうしようもありません。しかも、この日相談に訪れた41歳の女性は、会社を経営し、年収が1000万円。なんと自分と同じかそれ以上の収入の相手を希望しています。一生懸命仕事だけして、現実を見失っているのでしょうか。

今どきの未婚男性のうち、年収が1000万円を超えるのは全体の1%ほど。加えて高収入の男性は、若い女性と結婚したいはずです。植草さんは、現実を知り価値観を改めないと恋愛するチャンスは訪れないとアドバイスします。

「客観的なアドバイス」はお金を払う意味がありそう

冒頭の岩田さんは、合コンで自分の音楽知識ばかり話していたのをアドバイザーに指摘され、改めたところ、連絡先の交換までこぎつけました。本来こういうことは、若いうちから失敗を繰り返す中で知っていくものですが、恋愛を避けたり仕事に縛られたりするうちに、自ら学ぶ機会を失ってしまいます。

失敗したくないという気持ちは、恋愛への無関心を装うよう働くことも。恋愛講座のサイトには「そのまま生きていれば絶対に気づかないことを気づかせてくれました」という男性の声もありました。あくまで積極的に恋愛や結婚をしたい人の話ではありますが、お金をかけて客観的なアドバイスを仰ぐ価値のある人はいるのだと感じました。

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