F1ドイツGPの決勝レースに向けて、現時点でわかっているグリッドの状況を整理しておこう。予選前にギヤボックスを交換して、予選15位となったロマン・グロージャンは5番手降格となり、20番グリッドからスタート。
また予選Q2でフェリペ・マッサの進路を妨害したと判断されたカルロス・サインツJr.は3番手降格のペナルティを受けて15番グリッドへ。また、サインツにはペナルティポイント「2」が追加された。
さらにニコ・ヒュルケンベルグは、記録上ではフリー走行3回目の終了後ピレリに返却されたはずのスーパーソフトタイヤを、予選Q1で使用したため、1番手の降格を言い渡された。詳細は不明だが、チームのタイヤ管理にミスがあったようだ。ヒュルケンベルグはQ3でバルテリ・ボッタスに100分の2秒差で競り勝って、予選7位の座を勝ち取っただが、ひとつ下がって8番手からスタートすることになる。
これにより、予選14位のフェルナンド・アロンソのスタートポジションが上がって13番手となり、走行ラインのアウト側からスタートできる。ただし、マクラーレン・ホンダの関係者は「ピットストップを長めにする傾向があるグティエレスが前にいるのが厄介だ」と、ハースの戦略を警戒している。
優勝争いは、ここまでのペースを見る限り、メルセデスとレッドブルの2チームに絞られたと考えていいだろう。パワーエフェクトが大きいホッケンハイムでも、予選でメルセデスにコンマ3~4秒差と迫ったレッドブルのダニエル・リカルドは「ロングランはブダペストのときより少し良かったから不可能じゃない。できれば、スタートで前に出たい」と意気込んでいる。だが、スタート時に装着するQ2でベストタイムを刻んだときのタイヤは、ほとんどのドライバーが1回しかアタックしていないタイヤであるのに対して、リカルドは2回アタックしており、3周古い状態となっている。これが、どのように影響してくるか。
なお、ルイス・ハミルトンは土曜日のフリー走行3回目に、ピットレーンでグロージャンと接触しそうになり、アンセーフリリースでレース審議委員会に呼び出された。事情聴取と映像を精査した上で、メルセデス・チームに1万ユーロ(約114万円)の罰金。ハミルトン自身へのペナルティは回避された。ハミルトンは今季すでに2回の戒告を受けており、累積で3回目となれば、10グリッド降格のペナルティを受けることになってしまう。
ピット戦略について、ピレリは「2ストップと3ストップが混在するだろう」と予測。ちなみにトップ10でスーパーソフトのニュータイヤを残しているのは、メルセデスとレッドブルの2チームだけだ。
気になる日曜の天気予報は終日、晴れときどき曇り。ただし、雷雨の確率は15%となっている。