フェラーリで「ヘッド・オブ・レースアクティビディ」を務めるジョック・クレアが、テクニカルディレクターだったジェームス・アリソンの離脱後、チームは「その穴を埋めるために必死で働く」必要があると語った。
今週水曜日、フェラーリはアリソンの退職と、エンジン部門を率いてきたマッティア・ビノットがチーフテクニカルオフィサーに昇進することを正式に発表した。これを受けて、クレアは次のように述べた。
「ジェームス・アリソンのような人物を失ったあと、すぐに彼と同様の手腕をもった人物が見つかるはずはないし、チームにも影響がないはずがない。チームは彼の抜けた穴を埋めるために、必死で働かなければならない。マッティアにも手助けが必要だろうから、みんなで協力してやっていかなければならない」
「実際、マッティアがジェームスの役割をそっくり受け継ぐのは難しいだろうし、彼らには経歴の面でも大きな違いがある。だが、チームは互いに協力し合って、何とかジェームスが貢献してきた領域をカバーしようとしている。私たち全員にとって、これはかなり困難な課題だ。しばらくの間は、彼がいてくれれば、と思うことも多いだろう」
また、クレアは今年3月にアリソンの夫人が亡くなったことが、フェラーリの全員に「感情的にも、仕事の上でも」きわめて大きな影響を及ぼしたと語った。
「あれ以来、フェラーリはずっと重苦しい雰囲気を振り払えずにいる。だが、このチームはモチベーションがきわめて高く、情熱的で、強い勝利への意志を持っている。この情熱が、逆に進歩を妨げるアキレス腱になることもあるとはいえ、チームの人々を目標に向かって駆り立てる原動力になっているのは間違いない」
「私にとっても、それが最大の魅力だ。この会社の隅々まで流れている情熱は、本当にすばらしい」
今後についてのアリソン本人の意向は不明だが、ルノーが彼を迎え入れる意志を示しているのは間違いないようだ。彼はエンストンのチームがロータスと名乗っていた時期に、テクニカルディレクターを務めていたことがある。
アリソンは、これから2~3週間をかけていくつかの選択肢を検討した後に、身の振り方を決めるものと見られている。