スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、28日付けで8月6~7日に富士スピードウェイで開催されるスーパーGT第5戦の参加条件について発表したが、このなかでJAF-GT300車両に大きな変更が見られている。
さまざまな車種が参戦するスーパーGTでは、各車両ごとの戦力を均衡化させるために、毎レースごとに“参加条件”が提示される。参加するエントラントは、この条件に従って性能調整(BoP)を行わなければレースに参加することはできない。
GT500クラスのホンダNSXコンセプト-GTについては変更ないが、GT300クラスは、4車種のJAF-GT車両(マザーシャシー含む)に対して大きな変更が施されている。最低重量やエアリストリクターのテーブルに変更はないが、新たに最低地上高と燃料補給装置の給油リストリクターに変更が加えられた。
最低地上高については、もともと厚10mm(±2mm)のスキッドブロックが装着されていたが、基準面とスキッドブロックの間のスペーサーが、これまでの5mmから10mmに増やされることになった。必然的に車高は5mmアップとなる。また、燃料補給装置については、流量リストリクター(内径27.5mm)が適用された。
クイックなコーナリングと、ピットストップ時間の短さが武器だったJAF-GT車両にとっては速さを抑制する方向での性能調整変更となるが、SUGO戦までの速さに対し、JAF-GT陣営内からも「レースの盛り上がりを考えると速すぎる」という声が出ていた。鈴鹿テストあたりから話が出ていた調整ではあるが、導入される富士でどういった戦力差になるのか、要注目だろう。
また、ブランパンGTシリーズのBoPを採用しているGT3車両に対しても、第2戦とは異なるBoPテーブルが適用されている。第2戦と比較して軽減となっているのは、アウディR8 LMS(BoP=5kg減)、ランボルギーニ・ウラカンGT3(BoP=5kg減)、ポルシェ911 GT3 R(BoP=15kg減)。
一方、メルセデスベンツAMG GT3は車重が20kg軽くなっているが、リストリクターが第2戦=36.0mm x 2から、第5戦=34.5mm x 2となっている。また、最大過給圧もBMW M6 GT3、フェラーリ488 GT3は第2戦と数値が異なっている。
第4戦SUGOではコース特性ともあいまって、JAF-GT勢が強烈な速さをみせてきたGT300。今後のシリーズの流れをうらなう上でも、大きな変更となるかもしれない。