世界ラリー選手権(WRC)第8戦フィンランドは29日、SS2~SS12が行われ、クリス・ミーク(シトロエンDS3 WRC)が総合首位に浮上した。また、セバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)はSS10でコースアウトしている。
SS2で総合首位に浮上したミークは、午前の走行でオット・タナク(フォード・フィエスタRS WRC)と激しい首位争いを展開する。しかし、SS5でタナクが操るフィエスタRS WRCにサスペンショントラブルが発生。修復に時間を要して、順位を落としてしまった。
代わって、総合2番手には地元の英雄、ヤリ-マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が浮上する。ラトバラはSS4でタイヤのパンクから、マシンのリヤボディワークやウイングにダメージを負いながらも、ミークと18.1秒差につけている。
競技後、ミークは「ラリー・フィンランド初日を20秒近いリードで終えることができ、本当に驚いた」と走行を振り返った。
「タナクとラトバラはとても速かったが、彼らが問題を抱えている間にギャップを広げることができたよ。それでも楽観視はしていない。このイベントは毎年、コンマ数秒を争う激戦だからね」
「僕の目標はいつもと変わらない。可能な限りベストを尽くして、勝利することだ。だから、明日も限界までプッシュする戦略を取るつもりだよ」
ポイントリーダーのオジエは総合3番手で挑んだSS10走行中、「つまらないミス」からヘアピンでコースアウト。そのまま道路脇の溝に落下してしまう。
このアクシデントは、観客エリアの近くで起きたため、オジエは観客の力も借りてコースへ復帰。しかし、16分近くタイムを失ったため、総合56番手までポジションを落としている。
「ヘアピンを最短で通過しようとステアリングを切りすぎた。その結果、マシンがスライドしてコース内側の溝に落下してしまった。完全に自分のミスだよ」とオジエ。
「長いこと勝利から遠のいることもあって、少しプッシュしすぎた。ただ、観客の助けを借りることができて、最小限のロスで復帰することができたよ。ファンには見せたくないミスだったけどね」
新井大輝(フォード・フィエスタR5)と勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が参戦しているWRC2では、地元出身のエスペッカ・ラッピ(シュコダ・ファビアR5)が総合10番手につける快走でクラス首位。新井はクラス15番手(総合31番手)、勝田はクラス16番手(総合35番手)につけている。
現地30日には高速コーナーとビッグジャンプが連続する名物ステージ、オウニンポウヤを含む8SSが行われる。