ドイツGPの木曜会見は、なぜかニコ・ロズベルグを除く3人のドイツ人ドライバーが出席。しかし、話題は母国GPよりも旬な「フラッグ・ゲート」が中心となり、当事者であるロズベルグを外したのは、そのせいかも……と勘ぐってみたくなる展開となりました。
どんな話題にも、きちんと自分の意見を率直に語ったのは、前列中央に座ったセバスチャン・ベッテル。普段はニコニコしていますが4度の王者だけに、しっかりと自分の考え方を持っています。
ミハエル・シューマッハーの時代と較べてドイツGPの人気が低迷していることを聞かれると「メディアでもネガティブな報道が多いし、コーナーが遅くなってはいないのにそう言われるし、音も良くない。真実ではないけど、以前のように壮観なものでないような印象を与えてしまう。それにチケットも高すぎると僕は思う」と持論を展開。
反対意見が渦巻いているコクピット保護システムについては、前戦ハンガリーGPでドライバーたちに向けてFIAが説明会を開いており、ベッテルは「僕らは90~95%が賛成しているのに、そうでないかのような間違った印象を与えるような報道がなされたのにはビックリだ」と発言。「これで救われる命もある。過去から学ばなければ、とても馬鹿げている」と斬り捨てました。
初の母国GPとなる新人パスカル・ウェーレインは、やや緊張の面持ち。最初に司会から質問が回ってくるまでは水を飲んだり目線があちこち泳いだりと落ち着かない様子でしたが、隣のベッテルが机の下でスマホで何やら見せて笑わせたりしてリラックスしたよう。「2000年に僕が5歳のとき、ここのグランドスタンドで初めてF1を見た。だから、僕にとっては特別なレースだ。(ポイントを獲った)オーストリアほどマシンに合ったコースではないけど、できる限りプッシュするつもりだ」と力強く語りました。
ハンガリーでの「フラッグ・ゲート」に関連して、金曜のドライバーズ・ブリーフィングではダブルイエローのとき「いつでも停止できる十分な減速」という条文について話し合われる予定で、ニコ・ヒュルケンベルグは「長くなるだろうから、飲み物と食べ物を用意しておかないとね」と笑いをとります。「どうしてハミルトンみたいにチャーリー・ホワイティングのところに話しにいったり電話したりしなかったのか?」と聞かれて、ベッテルが「僕はルールは明確だと思っているから彼に聞きに行く必要はない」と素っ気なく答えたのに対し、ウェーレインは「僕はチャーリーの電話番号は知らないから!」と、若手らしい返答で会場を沸かせたのでした。