スーパーGTシリーズ第4戦がスポーツランドSUGOを舞台に、夏休み最初の週末に開催された。本来ならば第3戦がオートポリスで開催される予定だったが、熊本地震の影響で施設にも損傷があり、代替レースがツインリンクもてぎの最終戦と併せて開催されることに。そのためレースそのものは2ヶ月ほどインターバルを置くこととなったが、その間に「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は、公式テストやプライベートテストを行い、しっかり準備を整えてきた。
永井宏明選手と佐々木孝太選手がドライブし、タイヤはヨコハマを装着する、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は、開幕戦の岡山国際サーキットで14位完走、そして第2戦の富士スピードウェイでは早くも9位入賞の成績を収めている。特にルーキーの永井選手にミスのないのは、大いに賞賛すべきポイントだ。GT300といえどまわりは猛者揃い。百戦錬磨のドライバーたちに、少しも臆すことなく走り続けているのだから、並のジェントルマンドライバーではない。
公式練習 7月23日(土)9:15~10:57 土曜日の早朝から、いつもどおり公式練習が開始された。気温は20度、路面温度は25度。これはSUGOで行われた公式テスト2日目とほぼ一緒とあって、データが大いに活かされることが期待された。「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」に佐々木選手が乗り込み、計測開始と同時にコースイン。ピットイン~アウトを2回繰り返し、マシンチェックを行った後、本格的な走行が始まった。
これはタイヤの内圧が想定どおりに上がらなかったため、ウォームアップに多くの時間を割いたためだ。ところが、それでも暖まりは十分ではなく、不本意な状態でのアタックは1分19秒337を記すに留まり18番手に。ピットで待つ永井選手に繋ぐことが出来ずに予選は終了。「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は9列目から決勝レースに挑むこととなった。
決勝日・フリー走行 7月24日(日)9:00~9:30 土曜日までは雲こそ出ていたが、ドライコンディションが保たれていたのに、日曜日は未明のうちに降った雨によって、早朝の路面はうっすらウェットコンディションに。フリー走行が始まる直前は霧雨が舞う程度で、やがて回復に向かうと思われたのだが……。開始早々、コースアウトする車両があって赤旗中断。自走で戻ってきたため、すぐに再開されるも、その間に本格的な雨が降り始める。最初に「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」を永井選手がドライブ。ウェットコンディションの感触を確認し、1分33秒790をマーク。その後、佐々木選手と交代し、車両と路面の確認作業を行った。
それからしばらくのトラフィックにも、そして次々と後方から襲いかかるGT500車両も難なく対処し続けた永井選手。24周目に最終コーナーでクラッシュがあり、回収のためセーフティカーが28周目まで走行。次の周のピットロードオープンと同時に「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」はピットイン。佐々木選手に交代する。
その時点で22番手まで後退するが、まだドライバー交代を全車が行っていないため、自らも抜き続けながら、次第に順位は上がっていき、暫定13番手に。終盤にもバトルを続けたが、想像以上にタイヤの摩耗が厳しく必死にガードを固めたものの、佐々木選手は順位を落としてしまう。そして、70周目には最終コーナーで激しいクラッシュがあり、赤旗によってレースは終了。やや不完全燃焼感を佐々木選手は残すこととなったが、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」はトップから1周遅れの18位完走を果たすこととなった。