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『Mステ』初出演のWANIMAはなぜ注目される? 楽曲とライブに感じる驚くべき“熱量”

2016年07月29日 17:01  リアルサウンド

リアルサウンド

WANIMA『JUICE UP !!』

 次々と開催するライブのチケットがソールドアウトを連発、先日開催した『FUJI ROCK FESTIVAL '16』では初出演にも関わらず、メインステージである「GREEN STAGE」を満員にしたパンクシーンの新星・WANIMA。彼らは、8月3日にシングル『JUICE UP !!』のリリースを控えるなか、本日7月29日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に出演する。


(参考:WANIMA『ミュージックステーション』披露曲「ともに」のMVはこちら


 WANIMAはHi-STANDARDを輩出し、日本のパンク/ラウドシーンを牽引するレーベル<PIZZA OF DEATH>が、初めてマネジメント契約したバンドとして話題となった。WANIMAが2015年11月4日にリリースした『Are You Coming?』は、1stアルバムにもかかわらずオリコン週間アルバムチャート4位、リリース日のデイリー(11月4日付)では1位を記録し、iTunesチャートでも首位を獲得した。同作のリリースツアーが即日ソールドアウトしたことを受け、Zepp DiverCityのファイナル公演前に新木場Studio Coastと名古屋DIAMOND HALLで追加公演の開催を急きょ発表するなど、バンド自身も驚くほど彼らの音楽は広がりを見せている。先日新たな全国ツアーの日程も発表され、勢力的な活動を行っているWANIMAだが、これでも彼らはまだまだピークの途中。あらゆるバンドが次々登場する音楽シーンの中で、ダントツで飛び抜けた存在感を持つWANIMAの魅力はどのようなところにあるのだろうか。


 WANIMAが歌う曲には、2つのメッセージが含まれている。1つは、彼らがふるさとで家族や友人と過ごした風景を描きながら作った感謝やエールを込めた歌だ。WANIMAが、『Mステ』で披露する曲は、シングルにも収録する新曲「ともに」。初のCM書き下ろし曲となったが、同曲では、WANIMAが「ここから」「THANX」「TRACE」で歌ってきたように、辛い時に“頑張れ”と言うのではなく、“笑うこと”を呼びかける。WANIMAの曲には“ありがとう”や“笑顔”がキーワードとなっている曲も多く、太陽のように思いきり笑顔で明るく歌うKENTA(Ba/Vo)の表情が、歌をストレートに耳に届け、歌詞の持つ意味により説得力を持たせる。


 一方、WANIMAの楽曲でもう一つのテーマとなっているのが“エロ”をカッコよく歌う曲である。「BIG UP」「1CHANCE」「いいから」などに代表的される“エロ”を歌った曲について、本サイトのインタビュー(WANIMAが語る、バンドの強さと音楽への情熱「うちは個人技よりもチームワーク!」)でKENTAは「海外なら、エッチなこともカッコよく歌っているじゃないですか。でも、日本だと引かれる。それが嫌だなって思っていて。それプラス、欲求として、これからもこういうことを歌っていこうと(笑)」と明かしていた。また、「エロに関わらずなんですけど、クサくならないようにしたいと思っています。お客さんに上から言うのは違う気がするし、同じ目線で歌っていきたいので」という発言にもあるように、彼らはステージ上から観客を見下ろすのではない。いつも前のめりになって観客と近しい距離でライブを行う彼らのスタンスからも、リスナーと同じ目線で音楽を楽しもうとする姿勢が感じられる。


 そして、メンバーも観客も全曲の歌詞を合唱しながら拳を上げるWANIMAのライブ会場には、今年3月1日に開催したツアーファイナルのレポート(WANIMAが驚異的動員を達成した理由ーー石井恵梨子がバンドの成長と“夢の大きさ”に迫る)にもある通り、驚くべき熱量がある。また、彼らのライブを目の当たりにすることで、直接体全体で感じる音楽から、陽気すぎて脳天気にも見えるWANIMAの歌に隠れた痛みを感じさせる背景も見えてくる。『ミュージックステーション』のオンエア後、日常のリアリティーが詰まったその現場に是非足を運び、WANIMAから溢れる笑顔を吸収してもらいたい。(大和田茉椰)