人材会社のランスタッドが、7月28日、企業魅力度を世界共通基準で調査する「ランスタッドアワード2016」の結果を発表した。
日本を含む世界24か国の18歳から65歳の男女を対象に「勤務時間」に焦点を当てた調査を実施。その結果、「給与が下がっても労働時間を短くしたい」と回答した人の割合が最も高かったのは日本人だった。
「とにかく休みたい」長時間労働への疲労感の表れか
「現在の勤務労働時間」に対して聞くと、満足と回答した日本人は42.0%。半数以上は現在の勤務時間に満足していないことが明らかになった。
そうした不満を裏付けるように、「給与が下がっても勤務時間を短くしたい」と回答した割合が最も高かったのは日本人で14.1%。グローバル平均の6.0%を大きく上回っている。日本同様に10%を超えている国は、香港、スウェーデンだった。逆に米国、インド、フランス、ロシアなどは5%を切っている。
ただ、日本人は休みどう使うかの目的が不明瞭なようだ。日本人の「労働時間を短くしたい理由」の1位は、「自分自身の時間を増やすため」で75%。グローバル平均の70%を超えているが、その他の項目では微妙だ。
グローバル平均で見ると「スポーツ、余暇・趣味のため」という回答が41%だったのに対し日本は29%。「子供と過ごす時間を増やすため」という項目も平均は39%であったのに日本は18%しかなかった。日本人は休みで何かをしたい、というよりも、とにかく仕事から解放されたい、という思いが強いようだ。
ランスタッド代表取締役 猿谷哲氏もこの結果について、
「『給与が下がっても勤務時間を短くしたい』、更に『自分自身の時間を増やしたい』という日本人回答者の比率が高かった今回の調査結果も、こうした長時間労働に憂慮する労働者の疲労感の表れかもしれません」
とコメントしている。
休むことに罪悪感抱く日本人、もっと図々しくていいのでは
日本人は休みをなかなか取らない。旅行サイト大手の米エクスペディアの調べでは、2015年の日本人の有休消化率は60%と調査対象となった世界26か国中で24位と極めて低い。
そもそも日本人は休むことに罪悪感を抱く傾向があるようだ。第一生命経済研究所の調査(2015年調べ)では、日本人会社員の約6割が有休取得に対して「ためらい」を感じることが明らかとなっている。
本当は休みたくても、周りが仕事をしているのに自分だけ休めないという気持ちが強いのだろう。「勤務時間を減らしたい」というのは、「本当は休みたい」を遠慮がちに言っているのではないかと疑ってしまう。「給料そのままで勤務時間は減らしたい」くらいの図々しさが必要なのかもしれない。
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