28日に開催されたF1ストラテジーグループ会合で、コクピット保護デバイス“ハロ”の2017年導入が否決された。2018年に何らかの形でのドライバーの頭部保護デバイスを取り入れることで合意したという。
すでにコース上で短い走行テストが行われ、FIAはその安全面の効果に自信を持っていたハロだが、まだ完成度が十分でなく来年F1マシンに使用するのは時期尚早であるとして、見送られた。FIAはコクピット保護デバイスは2018年から導入することで合意したと発表した。
「ストラテジーグループ会合は、ドライバーの安全性を大幅に強化するため、2018年シーズンにコクピット前部保護物をF1カーに導入することに、満場一致で同意した」とFIAの声明には記されている。
「2017年F1シーズンのスタートまで比較的短期間しかないため、今年と来年序盤にすべての選択肢の可能性をさらに完全に評価することが賢明であるという結論に達した」
「評価の一環として、今シーズンと2017年シーズン序盤にプラクティスセッションにおいてコース上で“ハロ”システムのテストを多数実施する」
「ハロはこれまで最も幅広いソリューションを示しており、現在は優先的な選択肢であるが、ストラテジーグループにおいて、あと1年開発を行うことでより完成されたソリューションになり得るとの意見の一致がなされた」
「ハロは依然として2018年に導入される強力な選択肢である」
フェラーリがハロの開発を進め、今年のバルセロナテストやプラクティスでテストを行っており、ハンガリーGPではFIAがドライバーたちにプレゼンテーションを行い、ハロの装着により安全性は17パーセント改善すると説明していた。
一部ドライバーは賛成の意志を示しているが、バーニー・エクレストンとチーム側から導入に反対の声が出ていた。規則により、来季導入には全会一致での合意が必要であり、FIAは安全性の問題として強行することも可能だったものの、ジャン・トッド会長は多数の反対を押し切って2017年の導入を押し進めることは避けた。
会合後、エクレストンは、ハロのテストはまだ十分ではなく、今後は別の選択肢を含めて検討していくと述べた。 エクレストンは、レッドブルが提案したエアロスクリーンの開発も続けると明かしている。
「FIAが何度もテストを行ったが、十分詳細に調査できたとは思っていない。もっと時間が必要だ」とエクレストン。
「それから、今後は“ハロ”とは呼ばない。簡単に頭部保護システムとする」