BMWモータースポーツは、カスタマーレーシング用の新しいモデルレンジとして、M4クーペをベースとした『M4 GT4』を開発し、2018年から発売すると発表した。
近年、車両価格が高騰しはじめ、スピードとしてもジェントルマンドライバーにとって手が出しづらくなりつつあるGT3に代わって、世界的に人気が高まりつつあるGT4カテゴリー。将来性のあるマーケットに向け、BMWは新たにM4のレーシングバージョンであるM4 GT4を製作することになった。
BMW M4 GT4は、2016年末にテストが開始され、2017年後半にカスタマーへのデリバリーを開始。BMWでは、最初のレース出場は2018年のドバイ24時間を想定しているという。
GT4カテゴリーはより市販車に近い改造範囲となるが、M4 GT4ではカーボンボンネットを市販のM4 GTSから流用。カーボン製のドア等を備え、フロントスプリッター、リヤウイング、レース用エキゾースト等が加えられるという。また、ドライブトレーンも市販のM4クーペから流用される。
「GT4カテゴリーはいま、ブームを迎えつつある。このカテゴリーは高性能な車両で手頃な参加の機会を提供でき、幅広い関心を惹きつけることができる」と語るのは、BMWモータースポーツのイェンス・マルカルト。
「我々はBMW M4 GT4が世界中のBMWカスタマーチームのために、有力なオプションとなる可能性があると思っている。こういったカスタマーレーシングカーをプライベートに提供することは、BMWモータースポーツの能力のひとつなんだ」
「BMW M4クーペは、GT4モデルの完璧なベース車両だ。これにより、カスタマーレーシングの最高峰であるBMW M6 GT3と、BMW M235iの間を埋めることができる。BMW M4 GT4は、完全にプライベーターのために設計され、彼らがBMWモータースポーツの大使として世界中で戦うことになる」
BMWモータースポーツでは、将来GT3カテゴリーで戦うことができる若手育成のためにも、このBMW M4 GT4を使用する考えがあるという。
GT4カテゴリーのレーシングカーは、他のドイツメーカーも開発を検討していると言われており、今後世界的な潮流になり得るかもしれない。