28日、F1ストラテジーグループ会合が開催され、2017年にコクピット保護システム“ハロ”を導入するかどうかの投票が行われる。事前の予測では、全会一致での合意に達するのは難しいものと考えられている。バーニー・エクレストンが強く反対しており、反対票を投じるようチームの説得にあたっているとも報じられている。
FIAは、これまで何度か短い走行テストを行ってきたハロデバイスには安全性を高める効果があると考えているが、規則上、来年導入するためには、ストラテジーグループ、その後にF1コミッションで、それぞれ全員が賛成を表明する必要がある。
FIA会長ジャン・トッドと商業権所有者であるエクレストンは、ストラテジーグループにおいてそれぞれ6票分の権利を持っており、代表6チームはそれぞれ1票ずつを有する。
ストラテジーグループ、あるは全チーム代表が参加するF1コミッションで1票でも反対票があれば、ハロの来季導入は見送られることになるわけだが、FIAには安全上の見地からハロの導入を強行する権利があると考えられている。
しかしエクレストンはハロに反対の立場を取っており、反対票を入れるよう、チームに働きかけているという。レッドブル・レーシング、フォース・インディアは反対意見を表明する見込みで、マクラーレンとウイリアムズは態度を保留している。
FIAがハロの効果を実証したにもかかわらず、エクレストンは、ハロは逆に安全性を損なうと主張している。
「あれは必要ない。何も効果をもたらさないからだ」とエクレストンはTelegraph Sportに対してコメントした。
「あれには誰も救われない。マシンが引っ繰り返った際にはかえって悪いことになるかもしれない。(ドライバーを)救うというより、より大きなダメージをもたらしかねない」
「ドライバーのほとんどがあれを目にするのをいやがっている。彼らは望んでいないのだ。最終的に決定するのは我々とチームだが」
FIAはハンガリーGPの金曜、ドライバーたちに対してハロに関するプレゼンテーションを行い、それまで反対派だったルイス・ハミルトンもそれを見て理解を示したといわれている。ニコ・ロズベルグは、ドライバーの安全問題であるにもかかわらずドライバー自身が決定にかかわれないことに不満を示している。