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関口雄飛 スーパーGT第4戦SUGO レースレポート

2016年07月28日 15:21  AUTOSPORT web

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関口雄飛
関口雄飛プレスリリース

2016年7月26日
SUPER GT第4戦、再び魅せた鮮烈なまでのオーバーテイク、
14番手から躍進し首位を争った関口雄飛は、5位入賞を飾る。

 2016年国内モータースポーツの頂点となるSUPER GTは、九州オートポリスで開催予定であった第3戦が熊本地震のため開催中止となったため、約2か月のインターパルをおいて第4戦、「2016 AUTOBACS SUPER GT Round 4 SUGO GT 300km RACE」は、7月23~24日に、宮城県、スポーツランドSUGOで開催されました。

 LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは、このイベントに先立って6月18~19日に同サーキットで開催された事前テストで関口雄飛がトップタイムをマークしていたこともあり、自信を持ってこのレースに臨みました。

 いつものように、チームより1日早く仙台入りしてコンディションを整えた関口雄飛は、一躍時の人となったかのように、サーキット内のいたるところで多くの関係者やファンから先日のスーパーフォーミュラでの3位表彰台を祝福され、パドックですれ違う多くの方々から賛辞の声をかけられました。

 そんな嬉しさを胸に秘め、しっかりと気を引き締めながら仕事に取り掛かり、チーム関係者やエンジニア、タイヤメーカーの方々と入念なミーティングを進めました。



 土曜日のフリー走行、天候は曇り。まずは関口雄飛がステアリングを握ります。コースインして数周、ゆっくりとタイヤを温めた関口は、いきなり2番手タイムをマーク。生中継のTVカメラが何周にも渡ってその姿を追いかけ続ける注目を集めていました。そしてその期待に応えるかのように、開始15分後にはトップと100分の1秒まで同タイムの1分11秒606をマークして、場内を沸かせます。

 その後、チームメイトの国本雄資選手に交代し、さらに柔らかいタイヤを試すなど、積極的にレースに向けてのセットアップを煮詰めていき、最終的にLEXUS勢のトップ、総合3番手タイムで朝のフリー走行を終えました。

 しかし、午後の予選は大きな期待とは裏腹に、不運としかいいようのない状況に見舞われました。予選開始からいつものように各チームともラストアタックのチャンスを待って、ピットで待機します。残り7分30秒というタイミングでコースインした関口雄飛は、ゆっくりとタイヤを温め、アタックラップの準備とタイミングを図ります。しかし、まさにアタックに入ろうとするタイミングでSPコーナーでのアクシデントで赤旗が提示され、中断。なんとセッションはそのまま終了となってしまいました。アタックラップを刻むことなくピットに戻った関口雄飛は、無言のままマシンを降りました。

 大観衆が早朝から詰めかけ、周辺道路が大渋滞となった日曜日の朝、フリー走行が始まるころには前夜の雨は上がっていましたが、路面は濡れており、WET宣言が出されました。朝のフリー走行が始まるころには再び霧雨が舞い、次第に小雨へと路面を濡らします。

 そのコンディションの中で、あえて決勝レースのためにスリックタイヤを装着し、タイヤの皮むきを試みたのですが、雨の名手、関口雄飛をもってしてもコントロールは難しく、最終コーナーで痛恨のコースオフ。マシンにダメージはなかったのですが、スポンジバリアをヒットして動かしてしまった為に赤旗が提示されました。12番手でセッションを終えた関口雄飛は「少し気持ちが行き過ぎましたね。幸いマシンにダメージはなく、必要なチェックはできました。決勝のコンディションはわかりませんが、ドライでもウェットでもバランスに問題はないので、1台でも前に出て、ポイントを獲得するよう頑張ります」と語りました。

 そして決勝では、その言葉どおり有言実行、14番手からスタートした関口雄飛は次々と前を行くマシンをパスし続ける快進撃を見せ、詰めかけたスーパーGTファンを沸かせます。

 完全に乾ききってはいない路面の中、全車スリックタイヤでスタートしたレース、1周目に1台をパスして13番手で戻ってきた関口雄飛は状況を冷静に判断し、タイヤを労わりながらじっくりと温め、しばしチャンスを待ちます。

 3周目にはGT500のマシン2台が絡むアクシデントがあり、11番手に浮上。5周目には早くもGT300クラスのマシンが周回遅れとなって前をふさぎ始めます。その混戦を縫うように走る関口雄飛は、着実に順位を上げ10周目には8番手に浮上。前をいくマシンがGT300クラスの処理に戸惑う中、関口は1周で2秒近く速い脅威のペースで、あっさり7番手へとポジションをアップ。16周目にはトップを行くマシンがGT300クラスのマシンと接触してスピンし、労せずして6番手へと浮上しました。

 19周目にはさらに前を行くマシンを仕留め、5番手。前をふさぐGT300クラスのマシンをパスする絶妙さで23周目に4位へと浮上し、その勢いのまま24周目に3位へ。そして26周目のストレートで前を行くマシンのスリップに入り、第1コーナーでインを奪って2位を奪取。勢いが止まらぬままトップを追った関口ですが、そのタイミングでGT300マシンのアクシデントでセーフティカーが入りました。

 31周目にレースが再開したタイミングで多くのマシンがドライバー交代にピットへと飛び込みますが、トップ争いを展開する関口は当然ステイアウトで首位を狙います。何度も第1コーナーでアタックを試みるのですが、元F1優勝経験者のコバライネン選手も意地でブロックし、関口を前に出させません。数周に渡る激しい攻防に場内は沸き、ファンはスーパーGTならではの醍醐味を味わいました。



 44周を終えたタイミングで関口雄飛は2番手のままピットイン。国本雄資選手にドライバー交代をしました。やや長めのピット作業となり、レースに復帰した時には5番手までドロップしてしまった19号車ですが、国本選手も関口選手に負けず劣らずの激しいチャージで前のマシンを追い詰めます。4位に浮上し、再び5位へ、激しいバトルを展開しました。

 そしてレースも残り7周となったあたりから、トップから5位までが集団となって最後の表彰台争いが始まったのですが、ラスト5周で最終コーナーでのアクシデントにより赤旗が提示され、そのままレース成立、終了となってしまいました。

 LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは、最終的に5位でレースを終えました。表彰台が見えていただけに、悔しい終わり方でしたが、アクシデントを起こしたドライバーの無事が確認できたことで、ほっと胸をなでおろしたレースでした。

■関口雄飛のコメント
「土曜日の予選は絶対にトップ3に入れる自信があっただけに、あの赤旗は悔しかったですね。それでも気持ちを入れ替えて、日曜日の決勝に臨みました。朝のウォームアップのフィーリングがいまひとつだったので、レース序盤はじっくりと後方から様子を伺いながら、チャンスを待ちました。自分もすぐにフロントタイヤがきつくなってきましたが、前を行くライバルたちもタイヤに苦しんでいるようだったので、1台、1台とマシンとタイヤを労わりながら、丁寧に仕留めていきました。セーフティカーが入ったせいで、タイヤが再び冷えてしまって、再スタート直後はすこしトップとの差が開いてしまい、再び追い上げたのですが抜ききれませんでした。セーフティカーが出なければトップは見えていただけに悔しい結果ではありますが、今週を通じて、優勝した24号車に対しても車は負けていませんでしたし、ベストタイムを見ても向上しているので、運、不運があったにせよ、内容は良かったと思います。次のレースこそ、勝利を目指して頑張ります」