今週末に開催されるSCCA『ピレリワールドチャレンジ』のミド-オハイオ戦で、新型のホンダ(アキュラ)NSX-GT3が公式テストデビューを飾ることとなった。
2017年にはワークスによる北米でのレース活動が予定されているこの新型GT3は、元ル・マン24時間のGTクラス勝者であり、テストドライバーを務めるピーター・コックスのドライブで、公式セッションに参加することとなった。
「非常に順調だったテストプログラムに基づいて、我々はコンペティションの現場で何ができるのかを積み重ねていくという、次のステップに踏み出す時が来たと判断した」と語るのは、マシンのホモロゲーション取得と開発、北米でのテストを統括するホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)の代表を務めるアート・サン・シアー。
「ミドオハイオは(テストを行なうに際して)絶好の機会だ。レースカーと市販NSXの製造とR&Dを行っている拠点(オハイオ州メリーズビル)のすぐそばにあるトラックだからね」
マシンは、長らく北米でホンダ&アキュラのワークス的立ち位置でレース活動を行ってきたリアルタイム・レーシング(RTR)の手によってテストプログラムが遂行されることになっている。
アキュラとHPDは、来季のNSX-GT3によるレース活動計画をまだ公にはしていないが、今季レースデビューの可能性も除外されたわけではない。
現在RTRは、ピレリワールドチャレンジで『アキュラTLX-GT』を走らせており、また来季に向けてはIMSAスポーツカーチャンピオンシップの代表と、NSXのGTデイトナクラスデビューに向けた議論を行なったと言われている。
このNSX-GT3は初期の開発を日本のHRDと欧州で行なっており、WTCC世界ツーリングカー選手権でホンダのワークスプログラムを担当しているイタリアのJASモータースポーツもR&Dに関与している。
今後は、9月にフランス・ラドーにあるミシュランが所有するプルーピンググラウンドにて、GT3ホモロゲーションのテストを行なう予定となっており、認可が取れ次第、世界中のGT3選手権にデリバリーされることとなる。アキュラも2018年にはカスタマーに向けたマシン製造を行なうと確約している。