7月31日の東京都知事投開票まで5日。各種調査では小池百合子氏が一歩リード、それを増田寛也氏が追い、野党統一候補の鳥越俊太郎氏に遅れが見られるようだ。
そんな中、増田氏に思わぬ逆風が吹いている。26日昼に自民党本部で行われた各種団体総決起集会で、元都知事の石原慎太郎氏が増田氏の応援演説をぶったのだが、好調な小池氏への苛立ちからか、こんな暴言が飛び出したのだ。
「大年増の厚化粧がいるんだな。これが困ったもんで」
「あの人はウソつきだと思います」
「厚化粧の女に都政は任せられない」
「増田も否定しないなら同罪」という厳しい声も
増田氏を推す自民党都連の会長は、石原氏の長男である伸晃氏。小池氏は伸晃氏の制止も聞かずに出馬し、逆に自民党批判を掲げて都民の支持を集めている。石原氏としては、自分の影響力で長男をラクにしてやりたいという思いがあったのだろう。
しかし、64歳の女性候補者に「大年増の厚化粧」とは、あまりに敬意がなさすぎる。職場で口走ってしまったら、確実にセクハラでアウトだろう。予想通りツイッターには、石原氏の発言に対する強い批判が巻き起こっている。
「石原慎太郎、下品だな!小池百合子候補の政策を批判せずに、厚化粧だの年増だのって、セクハラ丸出しじゃないか」
「厚化粧とか大年増とか、こう云う発言が許されている国ってどうなんだ」
「あなたの職場で年配女性に大年増の厚化粧と言ってみたらいい。間違いなくセクハラで訴えられますよ」
中には「自民支持だが今回は小池に投票するしかない」「後ろでへらへらしている増田も否定しないなら同罪」といった声もあり、増田氏には思わぬ逆風になりかねない応援になった。
一方の小池氏は「慣れてる。しょっちゅうなんです」
石原発言を受けて、小池陣営の若狭勝議員は26日夜に行った街頭演説で「僕は非常に悲しい。石原慎太郎さんが小池さんのことを『厚化粧の大年増』と言ったそうです」と涙を流して悔しがった。
しかし小池氏は「我々そういうの、慣れてるんですよ。しょっちゅうなんですよ。むちゃくちゃひどいこと言われるの」と石原氏の発言を笑顔で受け流し、強気の姿勢を見せた。
「私はだからこそ、今回は都知事に通って、女は聞き分けがいい、使い勝手がいいなんてことは絶対に思わせない!」
厚労省のガイドラインに沿えば、石原氏のような発言を職場でした場合には、働く人たちを不快にさせる「環境型」のセクハラとなる。鳥越氏の出遅れで中高年女性の浮動票の行方が注目されているが、これでは増田氏から離れて行きかねない。
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