FIAは2017年の世界ラリー選手権(WRC)にコントロールタイヤを導入するプランを不採用とした。ただし、2018年以降の採用については可能性があるとしている。
今月初め、WRCプロモーターのオリビエ・シエスラは「数カ月前から議論してきた」とWRCにコントロールタイヤを復活させるプランがあることを明かしていた。今回の決定により、来季WRCでも引き続きミシュランとピレリ、DMACKタイヤによるタイヤ開発競争が行われることとなる。
FIAでラリーディレクターを務めるヤルモ・マホネンは、入念に議論を重ねた結果、来季にコントロールタイヤを導入することを見送ったと語っている。
「プロモーターがこのような案を議論するのは普通のことだよ」とマホネン。
「ただし、このプランが来季から導入されることはなくなった」
なお、マホネンは2018年以降にコントロールタイヤが導入されるかについては「いつでも、そういった可能性はある」と述べている。
「現在は複数のタイヤサプライヤーが参加しており、その全員が世界選手権に参戦することで、開発競争とプロモーション効果による恩恵を得ている。これはとても重要なことだ」
「その一方で、(2010年までコントロールタイヤが導入されていた際に)ピレリがサプライヤーを担っていた時は、財政面でメリットがあった。さらにタイヤのグリップレベルを制限することもできていた」
「メリットとデメリットの両面を考慮して議論を深めていく必要がある。現時点で言えるのは、来季の導入はない、ということだけだ」
現在、WRCにタイヤを供給しているミシュランとDMACKは、今週行われるWRC第8戦フィンランドの現場で、プロモーターと話し合いの機会を持つという。
DMACKマネージング・ディレクターのディック・コーマックは「我々とミシュランの考えはまったく同じもので、とてもシンプルだ。コントロールタイヤ導入は間違った選択なんだ」とコメントした。
「ミシュランもDMACKも開発競争を望んでいて、この議論がどう進むかに非常に強い関心がある」
「我々は(WRCに)さらなる投資を行うつもりで、将来に向けて大きな計画も練っている。だから、2018年以降にレギュレーションが変更される可能性があるのか知りたいんだ」
「さらに付け加えれば、我々はコントロールタイヤ一切興味を持っていない」