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鈴鹿8耐:ヤマハ、今年の最大の課題は「ポルにペナルティを受けさせないこと」

2016年07月27日 12:21  AUTOSPORT web

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都内で開催されたヤマハ8耐メディアカンファレンス
鈴鹿8時間耐久ロードレース直前の7月26日(火)、都内でヤマハ8耐メディアカンファレンスが開催された。

 発表会にはヤマハファクトリーレーシングチームの中須賀克行、ポル・エスパロガロ、アレックス・ロウズと吉川和多留監督、YARTヤマハオフィシャルEWCチームのブロック・パークス、野左根航汰、藤田拓哉とマンディ・カインツ監督が参加。壇上にはゼッケン21をつけた2016年鈴鹿8耐用のYZF-R1が飾られ、昨年の8耐の映像と共に、『最速の挑戦者たれ』というメッセージがスクリーンに映し出された。

 昨年19年ぶりに8耐優勝を果たしたヤマハファクトリー。「2連覇がかかった年だがチャレンジャーのつもりで臨む。プレッシャーも感じているが、ライダーもチームもしっかりと役割をやり遂げれば連覇は可能だと思う。YZR-M1のテクノロジーを受け継いだマシンは、コンピューターの準備も進んでいるし、手ごたえを感じている。昨年と同じように表彰台からの景色が見られるよう頑張る」と中須賀。

 ヤマハファクトリーから2年連続参加となるエスパロガロは「昨年はMotoGPパドックでも大きな反響があった。みんなに優勝を祝福してもらった」と振り返り、「僕は8耐が大好きだし、このバイクが大好きだ。去年このバイクに乗って楽しかった思い出がある。今はGPが開催されていない鈴鹿サーキットを走れることも楽しい。僕は今年、ヤマハで走るのが最後の年だから、感謝の気持ちを8耐の優勝でお返ししたい」と意気込みを語った。

 また、ヤマハから初参戦となる現SBKライダーのロウズは、「ヤマハファクトリーの一員として、昨年優勝したチームから8耐に参戦できることがうれしい。8耐に初めて挑んだ去年は、とても楽しかったが厳しいレースだった。なぜならこのふたり(中須賀、エスパロガロ)とライバルとして戦ったからね」と、新たなチームメイトと笑い合った。

 発表会にはヤマハ発動機技術本部MS戦略部長の河野俊哉氏、MS開発部長の辻幸一氏も参加。「去年はニューモデルで初めての8耐だったから不安があった。その部分をライダーとチームワークが補ってくれ、少しの運も味方して19年ぶりに優勝できた。しかし、レース後には社内ですぐに反省会を行ない、150を超える改善点が挙がった。その半数はマシンに関すること。その課題に対して1年かけて準備を進めてきた」と辻氏。

 記者から苦労した改善点を問われると「一番悩んだ点はポルにペナルティを受けさせないことですね」と会場を沸かせると、それを受けたエスパロガロは「今年は同じことを繰り返さないように気をつけるよ!」と、恥ずかしそうに手を顔でおおって返答した一幕もあった。

 YARTは今年、ヤマハのもう一つのファクトリーチームとも言える体制だ。元MotoGPライダーのパークスは、「ヤマハに感謝している。僕自身4回目の8耐が楽しみだ。若い二人のライダーと組むことも初めてで楽しみ。その中で優勝を目指す」とチームを引っ張る存在。

藤田と野左根は、全日本ロードレースのJSB1000クラスではヤマハのユースチームであるヤマルーブで戦っている。3回目の8耐となる藤田は「こういった体制で参戦できるのは初めてで楽しみ。外国人と組むのも初めてで楽しみだが、うまくコミュニケーションを取っていきたい」と話せば、今年8耐初参戦の野左根は「3人で力を合わせて、笑顔でレースを終えられるように頑張る。応援よろしくお願いします」と語った。

 三重県の鈴鹿サーキットで開催される鈴鹿8耐。39回目を迎える今年は、7月31日(日)に決勝が行なわれる。中須賀は「ファンのみんなには現地に来て青い旗を振ってもらい、僕らはその応援を力にかえて、表彰台のてっぺんにのぼりたい」とアピールした。