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『ダゲレオタイプの女』、トロント国際映画祭に正式出品決定 黒沢清「何と痛快なことでしょう」

2016年07月26日 23:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『ダゲレオタイプの女』(c)FILM-IN-EVOLUTION - LES PRODUCTIONS BALTHAZAR - FRAKAS PRODUCTIONS - LFDLPA Japan Film Partners - ARTE France Cinema

黒沢清監督の海外初進出作品『ダゲレオタイプの女』が、9月8日から開催される第41回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門に正式出品されることが決定した。


参考:小泉今日子、深津絵里、竹内結子……黒沢清が描く“女”たちはどう変化した?


 本作は、『岸辺の旅』で第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞した黒沢清監督の最新作。世界最古の写真撮影方法ダゲレオタイプを軸に、愛と悲劇の物語を描く。


 主人公のジャン役を『ある過去の行方』のタハール・ラヒム、ジャンが想いを寄せるマリー役を『女っ気なし』のコンスタンス・ルソー、ダゲレオタイプの写真家役を『息子のまなざし』のオリヴィエ・グルメがそれぞれ演じるほか、『潜水服は蝶の夢を見る』のマチュー・アマルリックらが脇を固める。


 今回出品が決定したトロント国際映画祭は、カナダ最大の都市トロントで開催される、カンヌと並ぶ北米最大規模の来場者数を誇る映画祭。1999年には、「Spotlight: Kiyoshi Kurosawa」として、黒沢監督の7作品が上映されている。『ダゲレオタイプの女』が正式出品されるのは、世界を代表する映画監督の作品を集めたスペシャル・プレゼンテーション部門で、昨年の同部門には、『スポットライト 世紀のスクープ』や『ルーム』、『サウルの息子』などが出品された。


 今回のトロント国際映画祭正式出品にあたり、黒沢監督をはじめ、出演者であるラヒムとルソーらが映画祭に参加する予定だ。出品に際し、トロント国際映画祭アーティスティック・ディレクターのキャメロン・ベイリーと黒沢監督からは、コメントが寄せられている。


■キャメロン・ベイリー(トロント国際映画祭アーティスティック・ディレクター)コメント


なんて愛おしい映画なんだ!
美しく、考え抜かれている。
ジャンル映画であり、映画の歴史への讃歌であり、そしてまぎれもない黒沢清作品だ。


■黒沢清監督 コメント


日本人の撮ったフランス映画が、カナダのトロントでプレミア上映される、何と痛快なことでしょう。
映画はこうして、いとも簡単に国境を越えて行くんですね。


(リアルサウンド編集部)