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DIJON GT-Rの高星起用に2017年からの“新レギュレーション”の噂あり!?

2016年07月26日 22:01  AUTOSPORT web

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スーパーGT第5戦富士で高星明誠を起用するDIJON Racing GT-R
7月25日、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションから、8月6~7日に開催される第5戦富士スピードウェイのエントリーリストが発表されたが、GT300クラスのDIJON Racing GT-Rは高森博士に代わって、Aドライバーに高星明誠を起用した。じつはこの動きには、2017年に向けた“対策”があるようなのだ。

 DIJON Racing GT-Rは、今季第1戦では高森博士/田中勝輝というコンビで参戦を開始。第2戦からは第3ドライバーに豊富な実績を誇る青木孝行が加わり、混戦のレースで10位フィニッシュ。今季初ポイントを獲得していた。さらに、7月23~24日に開催された第4戦SUGOでは、高森/青木というコンビで参戦している。

 さらにチームは、迎える第5戦に向け高星を起用することになった。今季ブランパンGTシリーズに参戦中の高星は、昨年までGT300クラスのB-MAX NDDP GT-Rをドライブしており、星野一樹とのコンビで2勝。高星/青木のコンビは、混戦のGT300のなかでも非常に強力なのは間違いない。また、富士はニッサンGT-RニスモGT3が得意とするコース。さらに第5戦ということもありウエイト搭載車が増えており、第5戦でのDIJON Racing GT-Rは今まで以上に注目の存在と言えるだろう。

 今回のドライバー変更は、いったいどんな意味があるのだろうか。チームを牽引する高森に話を聞くと、「計算すると、僕と青木孝行のコンビの場合ポイントの可能性はあるけど、高星と青木のコンビなら勝つ可能性がある」という。今まで以上に強力な体制を敷き、ポイントを大量に稼ぐことで、2017年に導入されると噂される、あるレギュレーションの対策にしたいというのだ。

 そのレギュレーションとは、“予備予選”の導入だ。現在、スーパーGTのエントリー台数は飽和状態にあり、新規エントラントの参戦が受け入れづらい状況にある。しかし、海外チームをはじめ、国内にもGT300クラス参戦の希望があり、これらのエントラントを受け入れるために、かつてバブル期の1988年~1992年にF1でも導入されていた予備予選が行われるというのだ。

 パドックでの噂を総合すると、レースウイークの木曜日に予備予選が行われ、勝ち抜いたチームが土曜からのレースに参加できるという。前年のランキングでAシード、Bシード、無得点チーム等々カテゴリが分けられ、ランキング下位と新規参戦チームが予備予選の対象になると言われている。ただ、この予備予選が開催されるのは、最大出走台数の制限が厳しいSUGOのみになるという噂も。

 GTアソシエイションの坂東正明代表にこの予備予選の存在について聞くと、来季に向けて構想されていることは認めながらも、まだエントリー台数も定まっておらず、実施の有無や方式が決まっているわけではないという。ただ、今後GT300クラスでは終盤戦に向けてランキングで少しでも上に入るために、各チームさまざまな対策を施すかもしれない。タイトル争いとは別の“脱・予備予選”の争いも注目だろう。