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Excellence Porsche Team KTR スーパーGT第4戦SUGO レースレポート

2016年07月26日 21:01  AUTOSPORT web

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Excellence Porsche
Excellence Porsche 33
911 GT3 R

2016 AUTOBACS SUPER GT Race Report

Sugo

July 23 / 24 2016

Naoya Yamano / Tim Bergmeister
Qualify : 19rd (1'19"390) Race : 14rd (69Laps)

 平成28年熊本地震の影響により、第3戦オートポリスがキャンセルになってしまったため、SUPER GTは約2ヶ月ほどのブランクが空くこととなったが、Excellence Porsche Team KTRはその間に行われた2回の公式テストに参加した。とくに、スポーツランドSUGOで行われたテストでは、好タイムをマーク。迎えた第4戦の舞台は、そのスポーツランドSUGOだ。

 好成績が期待されるレースに向け、チームはしっかり準備を整えSUGO入り。なお、今回Bドライバーのヨルグ・ベルグマイスターがアメリカで別のレースに出場せねばならなかったが、心強い代役として、ヨルグの兄でポルシェで戦った経験が豊富な、ティム・ベルグマイスターを招聘した。

 迎えた7月23日の予選日。7月も終わろうかという季節だったが、この日のSUGOは曇天で、季節外れの冷え込みとなった。ただ心配された雨は降らず、午前9時15分からの公式練習では、Aドライバーの山野直也が積極的に周回。途中ティムにステアリングに交代し終盤はふたたび山野へ。チェッカー間際に1分19秒363というタイムをマークし、6番手でセッションを終えた。

 公式テストでの好調ぶりをそのまま保つすべり出しだったが、武田敏明監督は「まだまだ分かりませんよ」と言う。実際、この公式練習でもGT300クラスのタイム差は非常に僅差だったのだ。その武田監督の予感は、午後2時30分からの公式予選で的中する。予選Q1を山野が担当しアタックを敢行したが、Q2進出にわずかに届かぬ19番手となってしまったのだ。やはりここでもGT300はそのレベルを象徴するかのように驚異的な僅差。コンマ5秒変われば、予選トップ5も狙えたのだ。

「公式練習ではコンマ1秒に笑い、予選ではコンマ1秒に泣きましたね」と山野も苦笑い。ただ、Excellence Porscheに上位争いのポテンシャルがあることをチームは再確認した。

 翌7月24日の決勝日。午前9時からのフリー走行でチームは決勝に向けた確認を行いたかったが、セッション開始とともに雨が降り出す。ウエット路面のなかでExcellence Porscheは慎重に走行を行い、決勝への準備を進めた。

 午後2時からの決勝レースは、GT500クラスを中心に荒れた展開となるが、スタートドライバーを務めた山野は会心のレース運びをみせる。上位とほぼ変わらないペースで力強い走行を続け、ひとつ、またひとつとポジションを上げていく。26周目には最終コーナー付近でのアクシデントでセーフティカーが投入され、その後にはライバル勢が続々とピットに向かっていくものの、タイヤのタレも少なく、燃料が軽くなるとともにますますペースは上がっていった。チームはこの好ペースを維持するため、山野のスティントをできるだけ引っ張ることに決めた。気づけば、いつの間にかExcellence PorscheはGT300クラスのトップに立っていた。

 そんな山野の好調な走りのなかで、ふたつの不運なアクシデントが発生する。29周目、5つ前を走っていた#55 BMWがSPコーナーでクラッシュを喫したが、それは山野の目の前だったのだ。山野はとっさに#55 BMWを避けるが、その際にグリーン上でスピンし、タイムロスを喫したのだ。

 そして、もうひとつ。SUPER GTでは、Aドライバー、Bドライバーの識別のためのランプがフロントウインドウに設けられているが、なんとこの部分に前走車のパーツがヒットし、ライトが脱落してしまったのだ。走行にはまったく支障はないが、ひょっとするとオフィシャルから修復を命じられるかもしれない……。

 51周を終え、山野はExcellence Porscheをピットに戻し、ティムと交代するが、この際ライトの修復を行った。これで通常よりも長いピットストップ時間を要してしまったのだ。その後、ティムはひさびさのSUPERGTながら、終盤発生したアクシデントで赤旗終了となるまできっちり走りきったが、順位は14位。もしピットでライトの修復を行う必要がなければ、ポイント獲得もほぼ確実だっただけに、Excellence Porsche Team KTRにとっては悔しいレースとなってしまった。

 とは言え、上位で戦う手ごたえは確実に得ることができた。次戦富士スピードウェイでの第5戦は、もう2週間後にやってくる。ふたたび上位争いを展開するべく、Excellence Porsche Team KTRは富士での戦いに挑む。

Quote.
Naoya Yamano A Driver
ポルシェはタイヤのタレも少なく、燃料が減ってくるとその分速く走ることができるんです。展開として何が起きるか分からなかったので、なるべく僕のスティントを引っ張る展開になりました。ペースも良かったですし、アクシデントを避けるスピン、識別灯が外れる不運がありましたが、それがなければトップ10は狙えました。この先に繋がると思いますね。富士はご期待ください。

Tim Bergmeister B Driver
SUPERGTはいつ走っても素晴らしいね。ただ、今回新しい911 GT3 Rに慣れるまでに少し時間がかかってしまった部分はある。それにSUGOも初めてだったんだ。でもチームのみんなは以前から知っているし、家に帰ってくるような気分だった。レースではライトの修復に時間がかかってしまって、順位を落としてしまった。その順位を守ることはできたけど、まだ改善する部分も多いよ。

Tadashi Fujita Team Principal
トップ10は狙えただけに悔しいところはありますね。ただ、内容は濃いレースだったと思います。メカニカルな部分でまだできた部分もあったはずですし、改善すべき部分もあったのは事実だと思います。しかしチームは着実に前進していると思いますし、次戦の富士では何かひとつ花が咲きそうな気配はありますよね。ぜひ応援していただければと思います。

Toshiaki Takeda Team Director
序盤から上位と同じペースで走ることができたので、山野選手でなるべく引っ張る作戦を採りました。その作戦も良く、タイヤもいけそうだったので、ピットでも二輪交換にしました。ただアンラッキーな部分が多かったですね。SUGOからいいパフォーマンスが得られているので、富士でもいい走りができると思います。あとは僅差のなかで、予選で前にいける詰めをしたいですね。

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