平成に入ってから最悪の殺人事件が発生した。7月26日午前2時45分頃、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」から「ナイフを持った男が施設に来ている」と110番通報があった。これまでに入居者19人の死亡が確認され、25人が重軽傷を負った。
凶行に及んだ同施設の元職員、植松聖容疑者(26)は午前3時頃に津久井署に出頭。殺人未遂などの疑いで逮捕され、「私がやりました。やつをやった」と容疑を認めた。また、「障害者なんていなくなればいい」「施設を辞めさせられて恨んでいた」と供述したという。
NHKなどの報道によれば、植松容疑者は2012年12月から同施設に勤務を始め、今年の2月19日に退職していた。一体、植松容疑者はどのような人物だったのだろうか。
「あいさつもしっかりする普通の男の子」「ニコニコしてる」
植松容疑者は同施設から500mほどの場所にある実家で暮らしていた。両親は4~5年前に近所トラブルが発生したために家を出ており、事件当時は一人暮らしだったようだ。周囲からの評判は良く、近所の人からは、
「受け答えもあいさつもしっかりする普通の男の子で、ただただ驚いている」
「性格的にいうと今時珍しい良い青年です。ちゃんと挨拶もできるし、ニコニコしてるし、話せばわかるし」
といった声があがっていた。また、昔は教師を目指しており、近所の人に、「父親が小学校の教員をやっているので、自分も父親のように教員になるんだ。だから今頑張って教育実習に行っているんだ」と語っていたという。
同施設での働き始めた当初も意欲を見せていたようだ。「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)によれば、3年前に発行された施設の機関には、
「心温かい職員の皆様と笑顔で働くことができる毎日に感動しております。今は頼りない新人です。しかし1年後には仕事を任す事の出来る職員を目指して日々頑張っていきます」
と書いていた。かなりポジティブだ。
ネット民「ウェイウェイしてるし。 こんな事件起こしそうなかんじに見えないんだけど」
容疑者のツイッターやフェイスブックは事件が報じられるとすぐに特定された。友人のキックボクシングの試合に応援に訪れる様子や、結婚式に出席する様子が投稿されている。特に外と連絡を絶っていたというわけでもないようだ。そのため、容疑者のアカウントを見た人からは、
「普通の兄ちゃんに見えるんだけどなあ」
「植松聖容疑者のプライベートめちゃくちゃリア充やんけ思ってたのとなんか違う」
「平成史上最悪、、 容疑者、写真見たらリア充そうなんだけど。 ウェイウェイしてるし。 こんな事件起こしそうなかんじに見えないんだけどなー、、」
といった声があがっていた。しかし、今年の始め頃から様子はおかしかったようだ。高校時代からの友人は、NHKの取材に
「今年に入ってから一人でずっと深夜のコンビニにいるのを見かけて、様子がおかしいと感じていたので付き合うのを辞めていた」
と語っている。また、近所の人も「ことし春あたりから様子変わった感じがする。髪の毛も赤く染めて」と話していた。植松容疑者は2月19日に同施設を退職しているが、これに関し近所では入居者に暴力を振るったためだという噂が流れていたという。容疑者は同日のツイッターで、「会社は自主退職、このまま逮捕されるかも...」と投稿している。
「世界が平和になりますように」犯行直後に投稿
会社を退職する前の2月中旬、植松容疑者は手紙を渡すために衆議院議長公邸を訪れている。手紙には「障害者総勢470人を抹殺することができる」と書かれ、同施設を名指しし、職員の少ない夜に決行することが記されていたという。また、「私の目標は障害者の方が保護者の同意を得て安楽死できる世界です」という記述もあった。
手紙に容疑者の名前や住所が書かれていたため、警視庁麹町署はその日のうちの神奈川県津久井署に情報提供をした。そういった経緯があってか、退職した2月には津久井警察所から相模原市役所に植松容疑者について「他人を傷つける恐れがある」と連絡が入った。
その後、医師の診察の結果、入院の必要があると診断され、精神保健福祉法に基づく入院措置の対応が取られていた。また、朝日新聞の記事によれば、この際に尿と血液から大麻の薬物反応が確認されていたという。
容疑者は3月2日に退院しているが、この判断が適当だったのかが焦点になりそうだ。犯行直後と見られる午前2時50分には自撮りの写真とともに「世界が平和になりますように。beautiful Japan!!!!!!」と投稿している。どのような状態で犯行に及んだのか、また、詳しい動機の解明が急がれる。
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