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『インデペンデンス・デイ』続編で注目、マイカ・モンローが語る“アスリートが女優になった理由”

2016年07月26日 11:11  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

 ローランド・エメリッヒ監督最新作『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』が公開中だ。前作『インデペンデンス・デイ』の20年後を描く本作は、前作を凌ぐ巨大宇宙船で再び地球を侵略しにやってきたエイリアンと、それを阻止すべく立ち上げる人類の闘いを描くSFアクション。本作にて、トーマス・ホイットモア元合衆国大統領の娘、パトリシア・ホイットモアを演じるマイカ・モンローは、これまで『ザ・ゲスト』『イット・フォローズ』『フィフス・ウェイブ』など、インディペンデント作品からメジャー作品まで幅広く出演する23歳の新鋭女優だ。このたびリアルサウンド映画部では、プロのカイトボーディングの選手でもある彼女が、なぜ女優の道を進むことになったのか、本作出演の経緯とともに聞いた。


■「女優になったきっかけはジャック・ニコルソン」


ーープロのカイトボーディングの選手でもあるあなたが、なぜ女優になろうと思ったのですか?


マイカ・モンロー(以下、マイカ):もともと女優になりたいとはまったく思っていなかったわ。だけど、アスリートとして映像を撮影することがあったから、タレント・エージェントには登録していたの。カイトボーディングをするためにドミニカ共和国に7ヶ月くらい滞在していた時、エージェントからオーディションを受けてみないかという話をいただいて、その台本がとても面白くて一度受けてみようかなって。それがデビュー作の『チェイス・ザ・ドリーム』に出演したきっかけね。受かってもカイトボーディングを続けていきたいと思っていたから、その時はまだ女優業に集中しようとは思っていなかった。ただ、実際に演技の仕事をしてみたら想像以上に楽しくて、すっかり気に入ってしまったわ。今はこの仕事をすごく愛してるの。


ーーもともと映画が好きだった、ということはなかった?


マイカ:うーん、そうね。父が映画好きだったから普通の家庭よりは触れる機会が多かったかもしれないわ。私はジャック・ニコルソンが大好きなの。特に『カッコーの巣の上で』は私のフェイバリットムービーね。この映画を観てジャック・ニコルソンのことが大好きになり、それから彼の作品の素晴らしさに触れ続けたの。あえて言うならば、私が女優になったきっかけは彼の存在があったからなのかもしれないわ。


ーー日本の映画を見ることは?


マイカ:日本の映画では『リング』がとても怖かったわ。あと、すごくお気に入りの映画があるのだけれど、タイトルが思い出せないの。アメリカでもリメイクされているくらい素晴らしい映画で、交通事故にあった女性の腕が吹き飛んでしまう話なんだけど……。どうしても思い出せないから、後でもう一度チェックしておくわ(笑)。


ーー(笑)。ところで、今回の役柄はオーディションで射止めたそうですね。


マイカ:ええ。エメリッヒ監督がなぜ私を選んだのかはわからないけれど、一般的な女性像とは少し違うキャラクターを求めていたと思うわ。人のいいなりにならない、反抗心を持った女性というか。私が演じたパトリシアは、大統領の娘としてホワイトハウスで働きながら、時には戦闘機に乗って出撃するパイロットでもある。彼女には通常の女性以上に根性があって、それと同時に負けん気の強さも必要だと監督は言っていたわ。もしかすると、そういう部分をプロのアスリートである私から感じ取ってくれたかもしれないわね。


ーー前作が人気作ということもあり、演じる時はプレッシャーなどを感じたのでは?


マイカ:その通りよ。前作よりも良いものにしなければならない、前作のイメージを崩してはいけない、というプレッシャーは出演者全員が持っていたと思う。でも、私は前作が大好きだったので、それ以上に目一杯この撮影を楽しもうと思っていたの。


ーー前作から役を引き継ぐわけではないので、その分、演じやすさもあったと思います。


マイカ:前作でエイリアンが地球にやって来た時、パトリシアは6~7歳くらいだった。現在の彼女をどう作るかは割と自由にやらせてもらえたので、とても楽しかったわ。前回と同じ役を演じる人は、以前のキャラクターを引き継がなくてはならないから、いろいろと制限があったかもしれないわね。でも、彼女の場合は、本編で描かれていない部分にすごい苦労が隠れているの。エイリアンが襲って来た時に母親が殺されたり、お父さんが幻覚に襲われるようになったりね。その過去から現在まで、彼女にどんなことがあったのか。そこは自分でイメージして組み立てていくしかなかったから、とても重要なところであり苦労した点でもあったわ。彼女はどんな体験をして育ち、どんなことを考えて、どうしてこんなことをしているのだろうってね。


ーー18時間以上にも及ぶ撮影があったと聞きました。いままでの作品とは規模感が違いましたか?


マイカ:あんなに巨大なステージで演技するのは初めてだったから、ものすごくナーバスになったし、正直ビビっていた(笑)。ただ、いろいろと考えながら演じていくうちに、だんだんできることも増えていき、次第に演じるのが楽しくなっていったわ。そうね……途中からはゲームをしているような感覚になっていたの。


ーーこれまでの役柄では、傷つきやすいティーンエイジャーだったり、少しやさぐれた女性の役が多かったと思いますが、今回は大人の女性でしたね。


マイカ:人間としてちゃんと形成されている、ということね(笑)。今までの役柄と比べて、人間として大人だと思うし、とてもはっきり自分のやりたいことが主張できる女性だったわ。挑戦しがいがあったし、私の新しい面を見せることができたと思っていて、とても気に入っているの。


ーー特に「イット・フォローズ」の時の演技は印象的でした。これまでSFやホラー映画によく出ているイメージもあります。


マイカ:あの撮影は、今回以上に大変だった。今考えても、椅子に下着で縛りつけられるのはあんまりだったと思う(笑)。もちろん、あの作品に出られたことは、光栄に思っているし、私の誇りになっている。でも、怖かったというか、とんでもないことをたくさん行った撮影だったので、肉体的にも精神的にもすごく追い詰められたの。でも、決してホラーやSFを意図的に選んでいるわけじゃないのよ。台本を読んだ時にそれぞれ良い作品だと思ったし、なんにでもチャレンジしたいと思う気持ちが強いだけ。ただ、もしかすると前世では何かに襲われたり、逆に誰かを襲っていたのかも。だから、ホラー映画やサイコパスに追いかけられる役を引きつけるのかもしれないわ(笑)。


ーー(笑)。『インデペンデンス・デイ』に話を戻しますが、恋人役であるリアム・ヘムズワースとの共演はいかがでしたか?


マイカ:彼はすでにスターだったから、会うまでは上手くやれるのか正直不安だった。色々と想像はしていたけど、どんな人間かまったくわからないわけだから。でも、初めて顔を合わせた時に、彼が築き上げてきたものがどんなものなのか、理解することができた。何事にも寛容で落ち着きのある人だったし、なによりも彼はサーファーだから、海好き同士で合うところがたくさんあって、話していてとても楽しかったわ。


ーー次々に出演作を重ね、女優として順調にステップアップしていると思います。ハリウッドで成功するためのコツや大事にしていることはなにかありますか?


マイカ:演技に関して言えば、いかに自分のありのままの姿を表現できるかを考えているわ。作品を観てくれる方と繋がりを持つためには、人間としての繊細さや脆さを伝えていくことが必要で、その感覚をどれだけ持ち続けることができるかが重要じゃないかしら。あとは、運が大事。才能や自分を信じる心の強さも大事だけれど、タイミングのいい時に最適な場所にいることが何よりも大切なの。だって、演技が上手な人たちは周りにたくさんいるんだから、実力を越えるくらいの運がなによりも大事だと思うわ。(泉夏音)