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「ルイスのペースダウンに、ニコを陥れる意図はなかった」とメルセデスが説明

2016年07月26日 08:11  AUTOSPORT web

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ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ
メルセデス・モータースポーツのトト・ウォルフは、F1ハンガリーGP決勝で「ルイス・ハミルトンが一時、意図的にペースを抑えた」との説を否定した。チームメイトのニコ・ロズベルグにライバルのダニエル・リカルドが追いつくように、ハミルトンが故意にペースを下げたとの憶測が出ていたためだ。

 昨年の中国GPでも、ハミルトンが不必要にペースを落としたことで、ロズベルグはフェラーリのセバスチャン・ベッテルに迫られ、自分のレースが損なわれたと主張する一件があった。

 ハンガロリンクでトップを走っていたハミルトンは、途中でペースをコントロールしはじめた。ロズベルグがリカルドに追いつかれることを恐れたチームは、ハミルトンに対する無線で、もう少しペースを上げなければ、2回目のピットストップはロズベルグを先に入れると警告した。

 ハミルトンは、これに「全力でドライブしている」と答えたが、まもなくペースを回復した。それによりロズベルグもプッシュしてリカルドを突き放すことができ、メルセデスは無事ワンツーでレースを終えている。この件について、ウォルフは次のように語った。 

「私はルイスが故意に“渋滞”を作ろうとしたとは思っていない。週末が始まったときから、私たちはタイヤに関して、かなり慎重になる必要があるという話をしていた。『タイヤがもたないかもしれない』と何度も聞かされていれば、なるべくタイヤをいたわろうと考えるのは当然だ」

「実際、彼らは最初のスティントで、スーパーソフトをうまくもたせた。次のスティントではソフトを履かせたが、このタイヤがどのくらいもつのか私たちには十分なデータがなかった。おそらくルイスはソフトタイヤの取り扱いについて慎重になりすぎたのだろう。彼はレースを支配していて、ニコが背後にいることも知っていた。ただ、後続グループが急速に迫ってきていることは知らなかった」

「後続のドライバーには戦略が異なる者もいて、ルイスはすべてを把握していたわけではないと思う。彼はレースの状況は順調だと判断して、少しペースを緩めた。タイヤをいたわらなければという意識が強くあったと、本人も言っている」

 ハミルトンも、ロズベルグのペースを下げさせるという意図はなかったと言う。

「スティント前半でもっとプッシュしていたら、おそらく望ましい形であのスティントを終えることはできなかった。エンジンの使いかたも含めて、必要に応じたマネージメントをしていた」

「ニコを抑えるつもりはなかった。もし彼が本当に僕にチャレンジするつもりなら、もっとギャップを詰めてきただろうし、そうするだけの速さはあったはずだ。だが、無線で連絡を受けたあと、僕はペースを取り戻し、そのまま走り続けることができた」

 ロズベルグは、ハミルトンは確かに「慎重すぎる」ドライブをしていたが、昨年の中国GPのときほどではなかったと語っている。

「僕は前方の状況だけに集中していた。彼のペースが落ちたのは、むしろありがたいことだったよ。できる限りプレッシャーをかけ続けて、ミスを誘うことを考えていたからね。そのためにできることはすべて試したけど、結局抜くことはできなかった」