DENSO KOBELCO SARD RC F
第4戦SUGO、連続2位表彰台でシリーズ2位浮上!
2016 SUPER GT 第4戦「SUGO GT 300km RACE」(7/23-24)
スポーツランドSUGO(1周3.704km)
入場者数:予選8,200名、決勝29,500名 合計37,700名
7月24日(日)、シリーズ前半戦のヤマ場となるSUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝が行われ、8番グリッドから剛毅果断に連続表彰台を狙っていったDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートを担当したヘイキが序盤から順位を上げていき22周目に38号車をかわしてトップに躍り出る力強い走り。26周目にセーフティーカー(SC)が導入され近づいた2位19号車と好バトルの末に巧に封じ込め、46周を終えピットイン。37.7秒の素早いピットワークで平手を送り出す。タイヤ無交換作戦の24号車に前に出られてしまったがギャップを少しずつ詰めて52周目に一旦捉えたが、引き離される攻防戦。全開の猛チャージを続けた平手は70周を過ぎて再び射程圏内に捉えるとチャンスを窺った。また後方から3位~5位が迫り5台が一塊になって熾烈極めるバトルが展開されていたが76周目に最終コーナーでのアクシデント発生により赤旗打ち切りに。74周時点の結果で第2戦富士に続く連続2位表彰台を獲得した。
ドライバーポイントでは15点を獲得(計34点)、チームポイントでは18点を獲得(計43点)し、いずれもシリーズランキング2位に浮上した。次の第5戦は8月6日(土)・7日(日)に富士スピードウェイにて開催される。
■公式練習走行
前戦富士では良い流れを掴んで2位表彰台を獲得し、シリーズランキング3位に浮上したDENSO KOBELCO SARD RC F。第3戦が中止となり、2ヶ月半のインターバル中に行われた2つの公式テストではウェイトハンディを搭載した中でも上々のタイムをマークして仕上がりは順調となっている。7月開催に戻ったスポーツランドSUGOは第4戦として行われ、公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝はスプリントの約2時間。ドライバー交代を伴うピットストップは1回で、ウェイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる38kgを搭載する。コースは天候が急変し易い山間部にありトリッキーで幅も狭く、また高低差73mもあってウェイトハンディの影響が大きいテクニカルなマウンテンコース。1コーナーでのブレーキング競争、ヘアピン、馬の背、最終コーナーとオーバーテイクポイントはあるが、常に接近戦が展開され息の抜けない緊迫したバトルが続く。
DENSO KOBELCO SARD RC Fは、3番目に重い重量によるタイムダウンは否めず厳しい予選となるであろうが、波乱が起き易い決勝では運や変わりやすい天候を味方につけ、連続表彰台で大量得点を稼いでランキング上位2台に迫ってタイトルへの道しるべをつけたい重要な戦い。また昨年激しいクラッシュでリタイアの憂き目を見ただけに雪辱を果たしたいところ。シリーズも中盤戦に差し掛かり、各陣容とも力を上げてきているだけに、チーム一同ここは剛毅果断に連続表彰台を狙っていった。
23日(土)午前中の公式練習走行は、気温20度/路面温度25度のドライコンディション。9時15分から混走セッションが開始され、今回もヘイキからスタートしてコンディションに合ったタイヤの確認を行った。まず1分12秒447でその時点の4番手タイム。別のタイヤを装着して13周目に1分12秒441とタイムは余り変わらなかったが、フィーリングやタイヤ表面の感じでは、2回目のアウティングで使用したタイヤが現在のクルマの状況にベストチョイスと判断された。クルマの微調整を行った後に26周目から平手がドライブ。ヘイキの装着したタイヤ2セットのフィーリングを同じように確かめた。混走セッション最後に平手が新品タイヤの感触を確かめ1分12秒397をマーク。混走セッションでは平手の出したベストで12番手に。10分間のGT500単独セッションでは、ヘイキがアタックシミュレーションを行い、5周目に1分11秒819の11番手タイムとなった。公式練習走行ではトータル50周を走行。重さが響いているのかタイムが伸ばせず厳しい状況となった。
■公式予選
■Q1:ヘイキが殊勲の7位で突破
23日(土)天気は曇ったまま、気温21度/路面温度26度の中、14時50分からQ1が開始された。残り8分を切ったところでヘイキがコースイン。公式練習走行の様子からQ1突破は厳しい状況の中で渾身のアタックにヘイキが挑戦。しかも決勝を睨みライバル勢よりも硬めのタイヤをチョイスしてQ1に臨んでいる中、タイヤが温まらない状況ながらも渾身のアクセルフラットアウトでセクターベストを刻んでいったくヘイキ。早々と4周目に1分11秒618の8番手タイムをマークして見せた。続く周もアタックを続けたヘイキであったが、何とランキングトップの1号車のコースオフによる赤旗で打ち切りに。波乱となったQ1を、トップから0.6秒落ちで殊勲の7位で見事に通過して見せた。
■Q2:平手が健闘見せるも8位に
公式予選Q2は、気温20度/路面温度24度と若干下がり、ヘイキと同じく硬めのタイヤを選択していたため条件は厳しい状況ながらも、平手ファミリーも応援に駆けつけているだけに予選順位を上げていきたいところ。気合い十分に乗り込んだ平手は丁寧にタイヤに熱を加えていった。気温も下がってきているため中々タイヤが温まらない状況であったが5周目にセクター自己ベストを刻んでいき、重たいクルマながらも1分11秒623のその時点で7番手タイム。順位が入れ替わる僅差の争いの中、続く6周目の最後のアタックに臨んでいったが、セクター2から若干遅れ始めてしまい自己ベストタイム更新ならず。6位から僅差となった争いで健闘を見せるもあと一歩及ばず、4列目8番グリッドとなった。
■決勝
■フリー走行
24日(日)決勝日のフリー走行開始時は、気温19度/路面温度22度で小雨が時々降りしきるウェットコンディション。まずスタートドライバーを努めるヘイキがドライタイヤを装着してコースイン。すぐにウェットタイヤに履き替えてウェットタイヤの皮むきを敢行。11周目からは平手と交代し、15周目に1分22秒948の9番手タイムをマークした。フリー走行ではトータル18周を走行して決勝への準備を順調に整えた。
■決勝スタート
第1スティント:ヘイキの快進撃でトップに浮上、クリーンなドッグファイトを見せる
24日(日)14時決勝スタート時点は気温20度/路面温度22度とこの季節にしては低温に。霧雨のような天候であったが路面はドライコンディション。8番グリッドから剛毅果断に連続表彰台を狙っていったDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートドライバーのヘイキが上位の波乱をよそに次々と前走車をオーバーテイクしていく快進撃を見せた。9周目に5位、12周目に4位、16周目に3位と次々と順位を上げていき、20周目にはランキングを争う37号車を馬の背コーナーで華麗にパス。22周を終えたストレート~1コーナーで見事に38号車をかわしてトップに躍り出る圧巻の走り。だが26周目の最終コーナーでのアクシデントによりセーフティーカー(SC)が導入されてしまう。SC解除後はマージンが無くなって近づいた2位19号車と好バトルを展開したヘイキ。流石な走りでクリーンドッグファイトが展開され場内を釘付けに。10周以上にも及ぶ好バトルの末に巧に封じ込め引き離しに成功。隣のピットでもある2位19号車がピットインを敢行した後、46周を終えレースをリーダーするヘイキをピットに呼び戻した。
第2スティント:平手が24号車を猛追するも水入りに
37.7秒の素早いピットワークで平手を送り出す。タイヤ無交換作戦の24号車にアウトラップで前に出られてしまったが、タイヤが温まると猛追してギャップを少しずつ詰めて52周目に捉え、激しい攻防が繰り広げられた。一進一退の戦いが続いて一旦引き離されてしまうが、ピットから無線で檄も入り、全開の猛チャージを続ける平手は70周を過ぎて再び射程圏内に捉えるとチャンスを窺った。また後方から3位~5位が迫り5台が一塊になって熾烈極めるバトルが展開されていった。たが76周目に最終コーナーでの再びアクシデント発生により赤旗打ち切りという水入りに。74周時点の結果となり、DENSO KOBELCO SARD RC Fは第2戦富士に続く連続2位表彰台を獲得した。
ドライバーポイントでは15点を獲得(計34点)、チームポイントでは18点を獲得(計43点)し、いずれもシリーズランキング2位に浮上した。次の第5戦は8月6日(土)・7日(日)に富士スピードウェイにて開催される。
■ヘイキ・コバライネン
「富士に続き連続表彰台をとても嬉しく思う。予選は持てる限りの力を出せたし、決勝での自分のスティントは正にアメージング。硬めのタイヤだったけど最大限の性能を発揮できて、とてもうまく行ったよ。走っていて気持ち良くバトルを楽しんだ。それとピットワークも含めてチーム全体で良いパフォーマンスを発揮できたことには満足。優勝するまでには、あと一歩が必要だけど今年は毎戦大きく進歩していて、これからも精一杯に努力を続けてチャンピオンシップを最後まで争いたいね。次の富士は68kgのウェイトハンディで、かなり厳しいけど今回のようにきっちりと走りきって多くのポイントを稼ぎたいし、ファンの喜ぶ顔を今季3度目の表彰台から見てみたいね」
■平手晃平
「ウェイトハンディの影響が大きかったですが予選、決勝とも出来る限りの最高のパフォーマンスが出せたと思います。僕のスティントではトップを奪回できそうな感じがありましたけど、後半になってコンディションが合わなくなって厳しいドライビングを強いられました。しかしながら、結果2位表彰台が獲得できてとても嬉しいです。昨年の雪辱は果たせたし、ランキング2位にもなれて、これから夏の富士、鈴鹿を戦った末にランキング上位をキープできればチャンピオンシップも見えてくると思うので、次の富士もしっかりとポイントを稼いでいきたいですね。今年は富士スピードウェイが50周年なので、平チェカとしても3連続表彰台を狙っていきます!引き続きご声援よろしくお願いします」
■野田英樹監督
「今回サードは独自のやり方で地味に目立たず勝つための準備を粛々と進めて来ました。予選は苦戦が予想されてましたがドライバーの頑張りで良いグリッドを得られました。決勝でもヘイキの別格の走りでピット作業も完璧で、第2スティントの晃平も踏ん張りを見せてくれました。良い流れを引き寄せて波に乗れていると感じます。これでチャンピオンシップは、1号車に続いて2位に上がりました。胸を借りるつもりでディフェンディングチャンピオンに挑んでいきたいと思います。他チームも強豪ばかりですし、次の富士戦では更に重いハンディウェイトを背負って戦うので、想定通りには行かなくなるでしょう。これまで通り謙虚に進めて行きます。引き続きご声援のほどお願いいたします」