ARTA Project Race Report
2016 AUTOBACS SUPER GT Rd.4 SUGO 決勝
GT300
ARTA BMW M6 GT3
第4戦 SUGO 決勝レポート (GT300)
難しかったタイヤチョイス、完走できず
午前のフリー走行はセットに一貫性が無かったので、テストのセットに戻して走行したが、天候が悪かったのと、電気系のトラブルが出てしまい、セットの確認は決勝前のウォームアップになった。バランスは向上し、決勝に向けて微調整を行ってスタートを待った。
スターティンググリッドにはウェットタイヤが並べられていた。霧雨が降っていたが、路面はドライタイヤで走行するコンディションだ。しかし、風上には黒い雲があり、スタートまでに雨が降る事も考えられた。スタートまでに雨は強くならなかったが、雨が降る事も考慮しセットを雨に合わせて高木真一はドライタイヤでスタートをきった。
スタート直後はタイヤの暖まりが悪く、ペースが上がらない。1周で3つポジションを落として、9番手の走行となった。タイヤに熱が入ってからの高木はペースが安定し周回を重ねていった。
24周目に差し掛かったところで300クラスの車両が最終コーナーでストップして、セーフティーカーが導入される。チームはセーフティーカーが入ったタイミングで小林崇志に交代する準備を進めていた。
セーフティーカーがアウトした直後に高木はピットイン、小林に交代。小林は12番手でコースに復帰したが、タイヤの暖まりが良くなく、後続車から次々と抜かれてしまう。SPコーナーの1個目を立ち上がったところで、他車に右側から接触され、姿勢を崩してしまう。そこに左側から別の車両がフロントノーズに接触し、その場で止まってしまう。車はピットまで自走する事が出来たものの、レースを継続する事は不可能で、残念なリタイヤとなってしまった。
次は5月に2位に入った富士なので、それよりさらに良い結果を出せるように頑張りたい。
土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「タイヤのミスチョイスだったね。まっ、選択肢も少なかったというのもあるけど、もうひとつのソフトタイヤは操縦性が良くなかったので、硬いタイヤを選ぶしか無かったんだよね。ドライバーには苦労させてしまった」
一瀬俊浩エンジニアのコメント
「朝のフリー走行はバランスを確認する予定でしたが、オルタネーターのトラブルが出てしまいセットの確認が出来ませんでした。しかし、レース前のウォームアップで確認が出来たので微調整をしてレースに挑みました。レースはSCが入る事は想定していて、SCが入った時はちょうどピットロードがオープンになったので、タイヤの暖まりが良くなかったという事もあり、作戦を変更して高木さんに入ってもらいました。クラッシュは残念ですが、タイヤのウォームアップも含め、次回のレースに生かしたいと思います」
高木真一選手のコメント
「想定していたより、タイヤの暖まりが悪かったので、序盤はペースが上がりませんでした。タイヤが暖まれば、他と同じペースで走る事は出来たので、ポジションを落とさずに走って後半勝負と考えていました。SCが入ったタイミングもレースの半分より少し前だったので、柔らかいタイヤを選べず、硬いタイヤでのレースとなってしまいました。厳しいレース結果になってしまいましたが、このデータを次のレースに生かし、良い結果につなげたいです」
小林崇志選手のコメント
「タイヤの暖まりが悪いのは分かっていたので、頑張って暖めながら走っていたのですが、周りの車の方がアウトラップのペースが速くて付いていけませんでした。SPコーナーで少しアンダーを出してしまい、そこに来た後続車に接触してしまい、それがキッカケでスピンしてしまい、さらに後続車に接触されてしまいました。走行してピットに戻る事は出来ましたが、これ以上走行する事が出来ず、残念なリタイヤとなってしまいました。チームが速いピット作業で送り出してくれたので、非常に残念です。次回、頑張ります。」