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WEC第4戦ニュル決勝はポルシェ1号車が今季初V。 トヨタ勢は不本意な結果に

2016年07月25日 13:51  AUTOSPORT web

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ディフェンディングチャンピオンのポルシェ1号車が今シーズン初勝利
WEC世界耐久選手権第4戦は7月24日、ドイツのニュルブルクリンクで6時間の決勝レースが行われ、1号車ポルシェ919ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウエーバー/ブレンドン・ハートレー組)が今シーズン初優勝を飾った。

 フロントロウスタートのアウディR18勢と、2列目スタートのポルシェ919ハイブリッド勢が終始トップ争いを繰り広げた日曜日の決勝レース。熾烈なバトルの末に勝利を飾ったのは昨年の王者、ポルシェ919ハイブリッド1号車だった。


 スタート直後に1号車ポルシェが2番手に浮上し、その後はアウディとポルシェの4台による、スプリントレースさながらの激しいドッグファイトが終始展開された。


 ポルシェの2台は序盤、4番手を走行していた2号車が22周目にGTクラスのフォードと接触しスピン、1号車はスローパンクチャーに見舞われるなどアクシデントもあったが、アウディ勢との接近関係は変わらず、レースが中盤に入るとついに、2号車を先頭としたワン・ツー体制を築き始めた。



 ポルシェ2号車は、その後も順調に周回を重ねレースをリードしていたが、残り2時間を切ったところでマルク・リーブのドライブ中に、ターン12の飛び込みでLMGTE Amクラスのポルシェ88号車と接触しスピンさせてしまう。ポルシェ2号車に大きなダメージはなく、走行を重ねていたが、レース残り約90分のところでドライブスルーペナルティを課せられ後退。2位を走行していたポルシェ1号車がトップに立つ。

 一方、ペナルティを消化したポルシェ2号車には、3番手を走行していたアウディ8号車が接近し、2号車のニール・ジャニと、8号車をドライブするロイック・デュバルとの激しいバトルに発展していった。150周目の1コーナーでデュバルはインサイドに飛び込み2番手に浮上したが、ポルシェ2号車とアウディとのバトルはまだ終わらず、今度はアンドレ・ロッテラーがドライブする7号車が3番手のポルシェを狙い接近していった。

 2号車と7号車は、他クラスのマシンをかき分けながら、コースのいたるところでサイド・バイ・サイドのバトルを展開する。軽い接触を何度か繰り返しながらも、スペースを残す高度なバトルの軍配は7号車に上がった。ポルシェ2号車はバトル中に左リアを破損。ピットでの修復を指示するオレンジボールが提示され、さらに後退。表彰台争いから脱落してしまう。


 トップの1号車は、チームメイトの2号車とアウディ勢との激しいバトルを尻目に、順調にリードを築き上げ、最終的には50秒以上の差をつけ今シーズン初のトップチェッカーを受けた。2位は8号車、3位は7号車とアウディ勢が2台表彰台を獲得。地元戦でドイツ勢が表彰台を占めた。

「ポルシェにとってのホームコースで勝利を飾れて本当にハッピーだよ。激しいコンペティションのなかで、特別なパフォーマンスを示すことができた。ここ数戦タフな戦いを強いられてきた1号車のメカニックたちにとっても良い結果だったし、コンストラクターズチャンピオンシップを考えても良かった」とウエーバー。


 ハイダウンフォース仕様の新たなエアロパッケージを投入し、決勝での巻き返しに期待のかかったトヨタTS050ハイブリッド勢だが、チョイスしたタイヤが路面温度に対して「高く見積もり過ぎていた」ため本来のペースを発揮できず、異なるコンパウンドのタイヤに交換を余儀なくされる。その後は好ペースでの走行を続けていたが、トヨタ5号車と6号車の2台は不運な接触やマシントラブルに見舞われ、好結果を残すことは叶わなかった。

 LMP2クラスは、36号車のシグナテック・アルピーヌが第2戦のスパ、第3戦のル・マン24時間に続いて3連勝を飾った。LM-GTE ProクラスはAFコルセ51号車のフェラーリ488GTE、LM-GTE Amクラスはアストンマーチン・レーシング98号車のV8バンテージがそれぞれクラス優勝を飾っている。




 なお、LM-GTE Amクラス3位に入賞したKCMG78号車のポルシェ911RSRは、レース後の車検でマシンの車高が規定を下回っておりレース結果から除外された。これにより、4位でフィニッシュしていた、山岸大の所属するラルブル・コンペティション50号車が繰り上がりで3位入賞となった。