F1ハンガリーGPの予選が終了してから正式結果として認められるまで、なんと6時間かかった。理由はニコ・ロズベルグがベストタイムを出したとき、コースの一部で黄旗2本が振動していたことと、Q1で107%ルールに引っかかっていたドライバーが複数いたことだ。
ロズベルグの場合は、チームが該当区間で減速していた証拠となるデータを提出し、レース審議委員会は「テレメトリーにより、ドライバーはターン8で大幅に速度を落としたことが確認された」と不問に付した。
107%に関しては、やや複雑な話となった。レギュレーションの第35条1項では「Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったドライバーはレースに参加できない」と定められているためだ。これを適用すると、Q1首位のロズベルグのタイムは1分33秒302、107%は1分39秒833なので、12番手以下の11人(ダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレス、ニコ・ヒュルケンベルグ、バルテリ・ボッタス、ジョリオン・パーマー、フェリペ・マッサ、ケビン・マグヌッセン、マーカス・エリクソン、パスカル・ウェーレイン、リオ・ハリアント)の11人が審議対象となる。
もちろんQ1は大雨や赤旗という特殊な条件が重なっており、すべてのドライバーがフリー走行でトップから107%以内で走ることができるパフォーマンスを見せていたため、レースに出場することは問題なかった。
問題は、どのようにしてグリッドを決めるかである。第35条第2項では「フリー走行でQ1のトップタイムから107%以内のタイムを出しているドライバーについては、グリッド後方からスタートすることが許される」と定められている。つまり、Q1で107%以内のタイムを記録できなかった11人は、グリッド後方からのスタートが義務づけられる可能性もあった。
しかし、レース審議委員会はQ1の状況が特殊だったことから、Q2へ進出したドライバーに関しては不問、17番手以下の6人のグリッドポジションはフリー走行3回目の順位でグリッドを決めることになった。だが、いずれにしても順位に変動は出なかった。つまりスターティンググリッドは、現時点で予選の順位どおりである。
レース戦略は、おおむね2ストップが予想されている。メルセデスの技術面を司るパディ・ロウは「2ストップがメインの戦略だが、最初のスティントで履いたスーパーソフトのデグラデーションが予想よりも大きかった場合、3ストップにするチームも出てくるだろう」と予測している。
気になる天気は、レーススタート時の雨の確率が34%の予報。しかし、ハンガロリンクの地元スタッフは「この時期のハンガリーの天気は予測が難しい」と語る。土曜も午後は雨が降ると予測されていたが、推定降水量は2mm。ところが実際にはコースが川のようになるほど大量の雨が降った。
なお、ドライ路面でレースが行われた場合、メインはソフトタイヤと考えられる。こちらは22人すべてのドライバーが2セットを残している。