2016年F1第11戦ハンガリーGPの予選が、7月23日に行われた。Q1は4度の赤旗中断となる大波乱の展開で幕を開けたが、終わってみればメルセデスのニコ・ロズベルグが今季4回目のポールポジションを獲得した。ルイス・ハミルトンは最後で不運に見舞われるも2位。マクラーレン・ホンダが初めて2台そろってQ3進出を果たし、フェルナンド・アロンソ7位、ジェンソン・バトン8位となっている。
フリー走行3回目後に降りだした雨の影響により、スタート時の路面はフルウエット。雨の勢いも激しく、Q1は10分遅れでのスタートが提示される。セーフティカーがコースインして状況を確認すると、さらに10分が追加され、現地時間14時20分からスタートとなった。
雨は少なくなったものの、依然として厳しい路面コンディションのなか各車ウエットタイヤでコースイン。タイム計測を終えた時点ではセルジオ・ペレス、ニコ・ヒュルケンベルグ、アロンソ、フェリペ・ナッセ、ダニエル・リカルド、バルテリ・ボッタス、マックス・フェルスタッペン、ロマン・グロージャン、セバスチャン・ベッテル、ジョリオン・パーマーというトップ10だったが、また雨が激しくなり、13分08秒を残して1回目の赤旗中断となる。
この時点で気温20度、路面温度24度。少しずつ晴れ間が見えはじめ、再開の判断が下される。メルセデスの2台は下位に沈んでいたため、先頭のフェルスタッペンに続き、ハミルトン、ロズベルグもピットレーンで待機して備える。セッションが再開すると、今度はザウバーのマーカス・エリクソンがターン10で単独クラッシュ。9分を残して2回目の赤旗中断となる。ロズベルグとハミルトンはタイムを計測しており、それぞれ7、9番手につけた。
約10分後にセッションが再開。上位勢ではリカルド、フェルスタッペン、ベッテルがインターミディエイトタイヤを選択し、ハミルトンはウエットタイヤでアタックを開始するもコースアウト。その矢先、インターミディエイトを履くフェリペ・マッサがターン4の出口でリヤを滑らせて単独クラッシュ。ここで5分20秒を残して3回目の赤旗中断となる。この時点でのトップタイムはザウバーのナッセ。
破損したパーツの回収が終わり、上空は晴れ模様へと変化していく。最後のアタックを目指してセッション再開となったが、今度はマノーのリオ・ハリアントが単独クラッシュ。4回目の赤旗中断となり、これでQ1が終了した。各車インターミディエイトタイヤでタイムを更新しており、メルセデスの2台は順当にワンツー。上位チームもQ2への進出を決めた。結局パーマー、マッサ、ケビン・マグヌッセン、エリクソン、パスカル・ウェーレイン、ハリアントがQ1敗退となっている。
15分間で争われるQ2はインターミディエイトでのアタックからはじまり、ハミルトンがトップタイムをマーク。約10分後からスーパーソフトに履き替えたマシンがタイムを出していく。アロンソが一時タイムシートのトップに立つも、最後のアタックで続々とタイムが塗り替えられる。最後はフェルスタッペンがトップタイムをマークし、ハミルトンはギリギリの10番手。2、3番手にロズベルグ、リカルドが続き、アロンソは4番手でQ3に進出。バトンも7番手に入りマクラーレンは念願の2台そろってのQ3進出を果たす。一方でフェラーリのキミ・ライコネンはタイミングを逃して14番手。グロージャン、ダニール・クビアト、ペレス、ライコネン、エステバン・グティエレス、ナッセがQ2敗退となっている。
Q3は気温25度、路面温度33度となり、レコードラインは、ほぼドライコンディションに。まずはロズベルグが1分20秒499でトップに立つも、すぐハミルトンが1分20秒108で上回り、リカルド、フェルスタッペン、ベッテルがロズベルグに続く展開となる。残り約2分となったところで各車最後のアタックへと入っていったが、アロンソが単独スピンを喫してセクター2でイエローが提示される。直後にいたハミルトンはセクター1で全体ベストを出していたものの、やむなくスローダウン。しかし、ロズベルグはイエロー区間で減速しながらもタイムを更新。この週末で唯一の1分19秒台を叩き出し、逆転でポールポジションを決めた。
トロロッソのカルロス・サインツJr.がアロンソのタイムを上回り、6位。アロンソ7位、バトン8位、ヒュルケンベルグ9位、ボッタス10位という結果となり、約2時間にわたる予選が終了した。
決勝は7月24日(日)日本時間21時(現地14時)にスタートとなる。