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MOTUL GT-R、フロント大破損も「他のチームに申し訳ない」とニスモ鈴木監督

2016年07月24日 00:21  AUTOSPORT web

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スーパーGT第4戦SUGO予選Q1でクラッシュしたMOTUL
まさかのGT-R全車Q1落ちとなってしまった、スーパーGT第4戦SUGOのニッサン陣営。赤旗の要因となってしまったMOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリはクラッシュによる怪我はないようだが、クルマの状況はどうか。MOTULの監督にしてGT-Rの開発責任者でもある、ニスモ鈴木豊監督に話を聞いた。

 2連勝で80kgというウエイトハンデを搭載して臨んだ今回のSUGO戦。昨年までは50kg以上のウエイトに関しては、吸気リストリクター径を縮小することによってウエイトに相当するパフォーマンスを調整していたが、今年からは純粋に80kgのウエイトを搭載することになった。この未知とも言える車重が、MOTULとクインタレッリを悩ませることになった。

「(クインタレッリは)馬の背でブレーキングでタイヤをロックさせてしまって振動が起きて、その影響がどれくらいあるかわからないけど、SPコーナー入ったときにアンダーが出てしまいました」(鈴木監督)

 SPひとつ目でアウトにはらんだマシンは、SPふたつめのコーナーを曲がりきれずにまっすぐ進み、クラッシュパッドに突っ込んでしまった。これまでほとんどクラッシュシーンを見たことがないクインタレッリだが、80kgのウエイトハンデを搭載しながらもGT-Rのポテンシャルの高さが、むしろ仇となってしまったようだ。鈴木監督が振り返る。

「あの時は朝のタイムよりも良いペースでアタックしていたので、グリップの限界だったのでしょうね。ドライバーはQ1突破を狙えると思って限界を超えてしまった。でも正直、あの重いクルマで、あの速さでアタックするのは未体験ゾーンだったんです」

 幸い、クインタレッリには大きな怪我はなく、クルマの方も外観にはバンパー周り以外、大きな破損は見られなかったが、実は見た目以上に被害は大きいのだという。

「ロニーの体は大丈夫ですが、クルマはエンジン以外、フロント部はすべて交換になります。時間もお金もそこそこかかりますね。それよりも、アタックできなかった他のチームに申し訳ないです。12号車(カルソニック IMPUL GT-R)は特に今回はチャンスだったので申し訳ないです。明日の決勝はみんながリカバーしてもらえるよう願っています」

  MOTULのクラッシュによって赤旗中止となり、その周にアタックに入っていた12号車カルソニック IMPUL GT-R、そして46号車S Road MOLA GT-R、さらには24号車のフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの3台すべてのGT-RがQ1ノックダウンとなってしまった。

 ニッサン陣営をすべて巻き込んでしまった不運のQ1となったが、12号車、46号車のクルマ自体のパフォーマンスは高く、24号車もヨコハマタイヤが涼しい気温にマッチしている。そしてMOTULも80kgのウエイトハンデを搭載しながら、予選Q1突破を狙えるほどのパフォーマンス。明日の決勝は4台のGT-Rがどこまで上位に食い込んでくるのか。上位のレクサス陣営に、評判の高い2基目のエンジンを投入してきたホンダ陣営と、レースの順位は予想しづらいが、間違いなく、混戦となることが予想される。