WTCC世界ツーリングカー選手権もてぎラウンドの前戦となるアルゼンチン、テルマス・デ・リオ・オンドで開催される第8ラウンド(第15/16戦)で、地元ドライバーのエステバン・グエルエリが世界選手権デビューを果たすこととなった。
2010年にフォーミュラ・ルノー3.5で選手権3位、続いて北米のインディライツでシリーズ2位となったグエルエリは、2014年から地元南米アルゼンチンに戻り、国内のツーリングカー選手権である『スーパーTC2000』に参戦。ここまで3度の表彰台を獲得する人気ドライバーへと成長した。
現在31歳のグエルエリは、地元開催の世界選手権にチャレンジするべく、カンポス・レーシングのレギュラードライバーであるジョン・フィリピとともに、2台目のシボレーRMLクルーズTC1のステアリングを握る機会を手に入れた。
「これは絶好の機会だし、FIAの世界選手権の一部になれるチャンスは、毎日起こるものじゃないよね」と、グエルエリ。
「ヨーロッパで修行していた頃には、事前に充分なテストもままならないで、そのままレースウイークに突入。それでもそこそこの成績を出す……なんて経験も数多く積んできた」
「こういう状況と経験は、僕にさらなる力を与えてくれると思うね」
グエルエリ自身もキャリアの大半をシングルシーターに費やしてきたが、今回の事例の大先輩となるのが、同郷のホセ-マリア・ロペスの存在だ。彼もまたF1のリザーブ等を経験した後に母国ツーリングカーに参戦。初年度の『スーパーTC2000』王者となり、2013年に初開催されたWTCCアルゼンチンラウンドにスポット参戦。いきなり優勝の大活躍を演じ、翌年のシトロエン・ワークス入りを果たすと、そのまま2年連続チャンピオンに輝く大成功を収めた。
「ペチート(ロペスの愛称)は、WTCCに昇格して以降も信じられないほどの仕事を成し遂げた。彼は偉大な才能を示すと同時に、僕らのベンチマーク的な存在になった」
「そんなパフォーマンスを示す同胞がいることはポジティブなことで、さらに多くのラテンアメリカンドライバーが、WTCCヘ行く道筋を開いてくれたんだ」