ハンガリーGPでドライバーの“トラックリミット”違反を防止するために電子センサーが導入されることが明らかになったが、これに対してドライバーたちの中でも賛否両論がある。
コーナリングでコース外を利用することでタイムを稼ぐことを厳しく禁じる姿勢をとっているFIAは、ハンガロリンクのターン4とターン11に新しい二重縁石を設置すると共に、ランオフエリアにセンサーを導入、4輪すべてコースから外れたかどうかをこれで検知することを決めた。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、コース外を利用した方が速いコースを作っておいてそれを規制するのはおかしいと批判した。
「コース上よりコース外を走った方が速いようなサーキットを作った責任はFIAにある。本当に残念な話だ」とベッテル。
「その結果、コース上を走り続けるよりもコース外に出た方が速いタイムを出すことができるのに。理にかなった話とは言えないよね」
トロロッソのダニール・クビアトも批判的な意見を示している。
「普通の縁石を置けばいいのに。電子システムなんて必要ない」
「こういう手段を取る人たちは、何をすべきか分かっていないみたいに思える。センサーが設置されて、それが正確に機能して、すべてを検知するのかもね。でも僕はセンサーなんかより自分の目を信じるね」
ルノーのジョリオン・パーマーは、コースをはみ出した場合に損をするような形で規制された方がいいと述べている。
「ないよりはあった方がいいけど、グラベルを配置する方がもっといいと思う。ドライバーとしては身体で感じる抑止策がなされている方がいい。そこを走ると損をするというようなね」
一方で、新システムを歓迎する声もある。マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンは「いいことだよ。僕は賛成だ」と語った。
「今はどのサーキットに行っても縁石はほぼ同じで、簡単に乗り越えられる。コース外にはみ出すのを防止する、何らかの制限が必要だ」
イギリスGPの予選Q3で最初のタイムを抹消されたメルセデスのルイス・ハミルトンも「彼らにとってはその方が監視しやすいのだろう」と述べて、特に反対はしていない。
マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、より公平にペナルティが下されるという意味でいいことだと考えている。
「いいことだよ。マーシャルとかテレビ映像に頼らないで済む。その瞬間が放送されたかどうかに左右されることもない」
「そういうテクノロジーがあるのだから、活用すればいい。F1ではすべてを最大限に利用すべきなんだ」
FIAがこの手のセンサーを利用するのはこれが初めてではなく、以前シケインのショートカットを監視するために導入されたことがある。
FIAは今週末、このシステムを試して、センサーの検知結果とビデオなどで実際に目で見た結果を比較して精度を計り、今後このシステムを使い続けるかどうかを決める計画であるとみられる。