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東京コレクションのトップを切った「ヨシオ クボ」次のステージへ<17年春夏>

2016年07月22日 00:22  Fashionsnap.com

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久保嘉男が手がける「ヨシオ クボ(yoshio kubo)」が、東京のトップバッターとして2017年春夏のランウェイショーを秩父宮ラグビー場で開催した。これまでシーズンテーマを設けてこなかったが、今回は「科学的・人工的」をキーワードにコレクションを発表。ブランドイメージとして定着していた柄や色の組み合わせによる強いデザイン性ではなく、素材やディティールの化学反応で味付け。新しいブランドロゴも発表された。

ヨシオ クボが2017年春夏コレクション発表の画像を拡大

 「ヨシオ クボ」のショーは、これまでバイヤー向け展示会と受注の後に開催していたが、今回はパリで展示会を行った後の時期に変更したため、3ヶ月の前倒しとなった。半屋外で開催されたショーでは、ブランド初期を思い起こさせるテーラードスーツなど一見プレーンなウエアが並び、柄は鉄骨のグラフィックやジオメトリックのパターンのみ。中盤から後半にかけてアルミのようなシルバーの箔やゴールドの織物、工業資材のような質感の化繊などテクスチャーが際立った。プリントや切り替えといった「わかりやすい」表現ではなく、仕立てやディテールといったインサイドを「派手」に仕上げたようだ。デザイナーの久保嘉男は「これまではいかに東京で目立つかということを考えて服を作ってきたが、今後10年はどういった服を作っていくべきかと考えたとき、さらに高いところがあるのではないかと自分の中で目標が明確になった」とし、コレクションのアプローチやビジネスを含めて総合的にブランドを再構築する一歩を踏み出している。
 ショーではデビュー時の名前に戻した新ブランドロゴ「yoshio kubo GROUNDFLOOR」をプリントしたウエアも発表。ロゴの下には「TEAM」という文字もプリントされており、自身が手がけていたブランド「アンデコレイテッド マン(undecorated MAN)」のデザインを30歳の河野貴之に託すなど、初心に返りつつ経営者としてチーム作りを意識していくブランドの姿勢を感じさせた。
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