「ロマンス中野」という芸人をご存じだろうか。「ブラック企業に勤めている人たちを勇気づけたい」という面白い動機で芸能活動をしている大阪出身の26歳の女性で、アイドルオタクがコンサートでやる踊り「ヲタ芸」を持ちネタにしている。そんな中野さんが7月20日、デビューシングル「大の大人が!」がをリリースした。
ブラック企業で働き悩んでいたときにヲタ芸を見て元気づけられる
同曲のショートバージョンがYouTube上でも公開されている。やはり、ブラック企業で働く人に向けたメッセージソングなのだそうで、かなりニッチな層を狙っているようだ。
「Why なぜ毎日がこんなに憂鬱なのか Hah 休日なんてどれくらい取れてないっけ」
「モラハラ パワハラ 精神論 そこでは絶対服従」
と、ブラック企業のひどい環境について歌う。サビ部分では「時には休めばいい プライドばかり守っていて無理難題を押し付けられて どうせなら前に逃げようぜ」とエールを送っている。
中野さんは自身もブラック企業に勤めた経験ある。昨年11月のブログによると、「某ブラック企業」で接客業の仕事をしていたといい、朝早く出社し、ときには終電に間に合わず漫画喫茶に泊まることもあった。
辞めようかどうか悩んでいたときにたまたまテレビで見たヲタ芸に感動。「全身全霊かけてここまで熱くなってすごいなぁ~と、なんか悩むのがちょっと面倒くさくなったのです」と思えるようになった。
結局、「年末にあるノルマが厳しく、達成出来なかった分は自腹を切らなくてはならないとの事でしたので退職しました」というが、自身もブラック企業で働く人をヲタ芸で応援したいと思い、2014年から「ヲタ芸人」として活動をしているとのことだ。現在、あやまんJAPANの会社に所属している。
「ブラック企業で働いてるみんな、しんどい時こそロマンスしようぜ」
同月放送のバラエティ「アウト×デラックス」(フジテレビ系)に出演した際には、藤本美貴さんの「ロマンティック浮かれモード」にあわせながら、髪を振り乱してヲタ芸を披露。途中、
「そこの君たち、仕事に対して辛い思いをする必要はない。もっとバカなことをやって弾けていこうぜ!」
などとセリフを挟む。最後の決めゼリフは「大の大人がー!!」というものだが、「大の大人がブラック企業に染まっててしんどい思いをしているということを、私は全身全霊を込めてやったんです」と、その意味を説明。カオスな芸風でマツコ・デラックスさんらを困惑させていた。
今回のCDリリースを受け、中野さんは自身のツイッターで、
「日付が変わって本日7月20日は『大の大人が!』CD発売日なのだ 自分の信じた道を突き進めば意味なんて後から生まれるさ さぁ、ブラック企業で働いてるみんな、しんどい時こそロマンスしようぜ」
と告知ツイート。聴いた人からは「仕事してた頃の私に聞かせてやりたい。逃げたかった、暗記地獄。投げ出したかった、クライアントの無茶ぶり」という感想も寄せられていた。
中野さんは普段から仕事に悩む人に向けて「変人だと思われるのが何故嫌なんだ 逆に普通だね と言われると嫌な顔するのは何故なんだ どう思われたら満足なんだ 他人が理解出来ないであろう自分を押し殺して中途半端に着飾ったって疲れるだけだろ! 大の大人がー!!」など励ましの投稿をしており、ファンを勇気づけているようだ。