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夏休み興行が本格的にスタート! 『ファインディング・ドリー』、横綱相撲で首位独走

2016年07月21日 18:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『ファインディング・ドリー』(c)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 先週末は18日の海の日を合わせて3連休。学校によってはその週末から夏休みに突入したわけだが、映画の興行も足並みを合わせて先週末から完全にサマーシーズンに突入。家族層を中心とする幅広い客層の『ファインディング・ドリー』は1位、10~30代の女性客が中心の『HiGH&LOW THE MOVIE』は2位、スマホゲーム『Pokémon GO』が大人を中心に世界中で大フィーバーを巻き起こしている一方で、アニメでは小学生を明確にターゲットにしている(とはいえ、今作では20代の観客もかなり増加しているという)『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』が3位と、上位3作すべてが初登場となった。


参考:『ファインディング・ドリー』制作陣が明かす“共同監督”のメリット 「議論がより良い作品を生む」


 最も注目すべきなのは、今年のサマーシーズンの大本命と言える『ファインディング・ドリー』だろう。土日2日間で動員57万1000人、興収7億4556万円と、2位以下に大差をつけての首位。「海の日には海の映画」ということもあったのだろうか、18日も合わせた3日間の成績では動員92万1766人、興行収入11億7418万円とさらに数字を大幅に伸ばして、本年度最大級のスタートダッシュを記録している。


 アメリカで先月公開された『ファインディング・ドリー』は、『シュレック3』($121,629,270)、『ミニオンズ』($115,718,405)、『トイ・ストーリー3』($110,307,189)といったこれまでのアニメーション作品の歴代オープニング記録ベスト3を塗り替える、136,183,170ドルという数字を残し、その後も3週にわたってトップを独走。1作目ではなく既に作品が認知されている続編ということも含め、それをふまえると、日本でも今回の好成績は当然の結果と言えるだろう。


 ちなみに、『ファインディング・ドリー』の前作、2003年公開の『ファインディング・ニモ』の日本での累計興収は約110億。13年前の日本でのオープニング2日間(先行上映3回分を含む)の記録は動員約90万人、興収11億1620万円だから、1作目にもかかわらず、実は今回の『ファインディング・ドリー』以上の大フィーバーが起こっていたことになる。


 もっとも、日本では今年、オープニング2日間の興収は4億4580万4900円で初登場2位に終わった『ズートピア』が、驚異的な右肩上がりと粘りを見せて、最終的に累計動員約580万人、累計興収約76億円を記録したばかり(7月15日に上映終了)。ディズニー作品やピクサー作品の日本での興行は、初動だけでなく、作品評価を受けての伸びが大いに期待できる。今週末には『ONE PIECE FILM GOLD』という強力なライバルの公開も控えているものの、スタートダッシュだけでなく、最終的にサマーシーズンを制するのも『ファインディング・ドリー』だと予想しておこう。(宇野維正)