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yahyel、South Penguin、Gateballers、SIX LOUNGE…フジロック注目のルーキーたち

2016年07月21日 18:01  リアルサウンド

リアルサウンド

yahyel『Once』

 これまで19年間のフジロックの中で、数々の新人アーティストにとってブレイクの登竜門となってきたのが「ROOKIE A GO-GO」ステージだ。


(参考:yahyel、South Penguin、Gateballers、SIX LOUNGE…のMVはこちら


 2014年出演のSuchmosや、2015年出演のD.A.N.などは独自性の高い音楽性が評価され、今年の音楽シーンを賑わせている。深夜帯の出演ではあるが、フジロックスタッフがピックアップしたニューカマーだけに、流行の先取り感覚で楽しみにしているファンも多い。本サイトでは、小野島大氏による洋楽出演者の紹介(20周年のフジロック、必見の洋楽アクトは? 小野島大が50組を徹底解説)に続き、記念すべき20回目の出演権を獲得したルーキーたちについても紹介していきたい。


■7月22日


・yahyel


 国内よりも先にイギリス・フランスツアーを敢行し、自身の音楽に影響を与えたMETAFIVEのワンマンライブにオープニングアクトとして出演。彼らのライブを一目見た誰もが驚かされるのは、映像作家でもあるメンバー・山田健人が手掛けるVJと音楽が融合して展開するステージングだ。ボーカル池貝峻のブルース経由のスモーキーな歌唱は、彼らが目指す“国境の無い音楽”を目の前に出現させる。電子楽器による同期演奏、サンプラー、ボーカルとドラムの生音、そして映像といった音の表現力に長けた音楽集団によるアクトは必見だ。


・Nao Kawamura


 SuchmosやSANABAGUN.の作品にコーラスなどで参加し、R&BやJAZZをルーツに持つシンガー。ベース、ドラム、キーボード、サポートシンガーからなるバックバンドを引き連れ、トランペットのアレンジも加わる演奏に支えられながら、彼女は表情豊かに自身の声を操り、聞く人を魅了する。岩間俊樹(SANABAGUN.)をフィーチャリングしたラップの入った曲や、バラードからソウルミュージック、ファンク色の強い楽曲まで、幅広い音楽に通じる彼女の歌声が、初めて野外の大自然で披露される。


・LOVE SPREAD


 アメリカ・ニューヨークのブルックリンを拠点に活動するRyotaとNarumiによるエレクトロポップユニット。彼らが注目を集める理由は、ゲーム音楽とJ-POPを融合させた電子音楽という彼らの個性的な音楽ジャンルに止まらず、その独自の演奏スタイルにある。iPadや、プレイステーションのゲームコントローラー、popn musicのアーケードコントーラーを楽器として使用する独創的な演奏が、海外のライブ市場で話題を呼び、逆輸入という形で今年のJ-POPシーンに驚きを与えるに違いない。


■7月23日


・Gi Gi Giraffe


 フロントマン山本の宅録プロジェクトとして始まった3ピースバンド。バンド編成となってからは正式な音源リリースもないまま、生演奏で名を知らしめていった実力派。それだけに先日公開した「Naked Girl」のミュージックビデオは注目を集めた。全英詞のローファイなポップは日本人離れしたセンスを感じさせ、耳の肥えたフジロックのリスナーにも歓迎されるのでは。


・Wanna-Gonna


 「アメリカンルーツミュージックに敬意を表しつつ、現代の日本において、普遍的な音楽を鳴らすべく探究中」という文言を掲げ活動する5人組。楽曲ごとに多様なルーツを感じさせ、くるりにも通じる良質なポップミュージックを発信。既にインディーズシーンでは一定の地位を築いていると思われるだけに、このステージには満を持しての登場となる。結成はなんと中学時代だそう。


・Gateballers


 今年3月には小山田壮平(元andymori、現AL)を中心に設立された「Sparkling Records」から、初の全国流通盤をリリース。同作が「タワレコメン」にも選出されるなど、話題に事欠くことのない3ピースバンド。ロックを軸に様々なタイプの楽曲を展開し、その器用さにも驚かされるが、そこに通底するエモーショナルなメロディこそが彼ら最大の魅力。実力はお墨付きなので、当日のステージにも期待して間違いはない。


■7月24日


・South Penguin


 2014年結成の4人組。7月20日にリリースした1stEPには、プロデューサーに岡田拓郎(元・森は生きている)、エンジニアに葛西敏彦(トクマルシューゴ、蓮沼執太、D.A.N.など担当)という豪華制作陣を迎え、発売前から大きな話題となった。未だ謎に包まれた部分が多い彼らは、なんと初ライブを先日7月16日にこなしたばかり。MVが公開されている表題曲「Alaska」は、涼しげなサウンドで深夜の苗場にぴったりだ。作品には他にも「サイケデリック且つニューウェーブなポップス」が収録されているとのことで、今回それらもお披露目となるだろう。


・MONO NO AWARE


 予測不可能な曲展開と言葉遊びのような歌詞が特徴的な、男女混成の4人組。先日行われた2ndEPのリリースパーティーには、前述のGi Gi Giraffeも出演。ジャンルの垣根を取り払おうとするかのような姿勢で、シーンの核となりつつあるバンドだ。複雑なリズムにもさらりと乗りこなし、演奏力には定評のある彼らだが、その真価が発揮されるのはライブの場。気合いの入るであろう今回のステージは見逃せない。


・SIX LOUNGE


 今、My Hair is Badを筆頭に若者に話題のバンドを輩出しているインディーズレーベル<THE NINTH APOLLO>所属。メンバー全員がまだ10代で、彼らが鳴らす古き良き日本語ロックンロールに魅了され、熱いライブに何度も足を運ぶファンが続出している。大分ロックンロールハイスクールvol.6 vol.7共にグランプリ、歴代初二連覇を成し遂げ、若手のロックシーンの中で最も勢いに乗っているバンドだ。


(渡邊魁・大和田茉椰)