元F1ドライバーで、昨年短期間ながらもフォーミュラE選手権に参戦したジャック・ビルヌーブは、「ふさわしいチャレンジ」を求めて、FEに復帰したい意向であることを明らかにした。
1997年のF1ワールドチャンピオンであるビルヌーブは、この新しい電気シングルシーターシリーズの2015/16シーズンにおいて、たった3戦に出走したのみでヴェンチュリ・チームと袂を別つ経験をしている。
開幕戦の北京でデビューし、マレーシア・プトラジャヤ戦ではピットストップの問題に苦しみ、南米ウルグアイのプンタ・デル・エステ戦でePRIXから姿を消すこととなった。
その決勝レース後に行なわれたテストでクラッシュを喫したことで、チームはマイク・コンウェイとのスワップを決断。選手権ポイントゼロのまま、自ら早期にシリーズを去る後押しをしてしまう形になっていた。
フォーミュラE公式サイトでのインタビューにおいて、ビルヌーブは「カムバックできたら素晴らしいね」と認めている。
「レースは楽しかったし、トラックも素晴らしかった──とくにマレーシアが最高だったね。このチャンピオンシップはプロフェッショナルで、優れたドライバーが大勢いる」
「それは価値のある経験だったし、そこで"正当な試み"を行なうのは素晴らしいことでしょ?」
現在45歳のビルヌーブにとって、2006年にBMWザウバーF1チームから離脱して以来、このFEが久しぶりのシングルシーターとなった。
プンタ戦では予選でもクラッシュしたビルヌーブだが、それが彼の経験不足に起因するものであることを認めつつも、十分なセットアップが得られなかったからだ、とも主張している。
「それはどういうわけかブレーキバイアスが復帰せず、僕が操作を忘れていたり、復帰させなかったわけでもない」と、ビルヌーブ。
「予選後に全員で問題について考えたが、彼らは経験を持っていたので、間違いなくチームの誰かが解決策を考えているべきだった。だから、正直言うとちょっと困惑したね」
「でも、最終的にそれほど大きなクラッシュではなかった。時速70km程度で、モノコックも残ってた。僕が経験した中で最小のクラッシュだったよ(笑)」