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スーパーフォーミュラ第3戦富士 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL レポート

2016年07月20日 17:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2016スーパーフォーミュラ第3戦富士 表彰台
SUPER FORMULA Round 3
Fuji Speedway
Result Report  2016.7.16~17

ITOCHU ENEX TEAM IMPUL
No.19 J.P de Oliveira
No.20 Yuhi Sekiguchi

JP今季初優勝! 関口初表彰台!

 レースがなかった6月を挟み、昨年、一昨年と優勝を勝ち取っている得意の富士スピードウェイでの第3戦を迎えました。開幕戦と第2戦とノーポイントに終わっている無念を晴らすべく、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは3年連続の優勝、そして関口雄飛は初表彰台と初優勝をそれぞれ狙い、レースウィークに臨みました。

7/16(土)予選
Q1 14:45~15:06 天候:☂ コース:ウェット
Q2 15:15~15:22 天候:☁ コース:ウェット
Q3 15:32~15:39 天候:☁ コース:ウェット
気温:21℃ 路面温度:22℃

 このレースウィークは、生憎、梅雨明けとはならなかった関東東海地区。富士スピードウェイは朝一番霧に覆われていました。雨が降ったり止んだりという難しいコンディションの中予選を迎えました。予選Q1が始まる直前、再び雨が落ち始めてコース上はウェット宣言。Q1は14時15分定刻通り始まりました。19号車ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと20号車関口雄飛ともにウェットタイヤでピットアウト。コースイン直後、コース上でオリベイラと関口チームメイト同士で交錯する一幕も。マシンの感触を確認し、一旦ピットイン。微調整を挟み、オリベイラは残り9分で関口は残り6分のところで再度コースイン。オリベイラは1.44.188で2位、関口は144.208で3位に入り2台揃ってQ2へ駒を進めました。

 Q2も予定通り、10分間のインターバルを挟み15時15分に開始。7分間で行われるためQ2開始と同時にコースインしていきます。このとき雨は上がっていて、路面も次第に乾き始めている状況でした。ここでも ITOCHU ENEX TEAM IMPULの2人は着実にタイムを刻み、関口1.43.186で5位、オリベイラは1.43.326で6位。ポールポジションを決する最終Q3への進出を決めました。

 Q3も10分間のインターバルを挟んで7分間で15時32分から行われました。実力拮抗のSUPER FORMULA、非常に激しいポールポジション争いとなりました。1分半を切るところからタイム計測が本格化。オリベイラと関口もタイムを縮め上位へ食い込んできますが、ライバル勢も次々にアタック。目まぐるしく順位が激しく入れ替わります。続いてのアタックでチェッカードフラッグとなり、さらにタイムを更新しますが、ポールポジションへは届かず、オリベイラ1.41.132で3位、関口1.41.238で5位となりました。

 毎レースごとにポールポジション獲得ドライバーが入れ替わる激戦の中、1位へこそ届かなかったものの2戦続けて予選トップ3と手堅く上位に食い込んでくるオリベイラ、そして全参戦ドライバーの中で唯一Q3進出を果たしている関口。こうした実力ある2人が揃って上位からレースがスタート出来るということで、翌日の決勝へ向けて期待高まる予選リザルトとなりました。

7/17(日)決勝レース
天候:☁ コース:ドライ 気温:25℃ 路面温度:27℃
決勝レース距離 4.563×55laps=250.965km

 朝から曇天となった富士スピードウェイでしたが、雨が落ちることはなく、決勝レースを迎えました。なんと今季ヨコハマタイヤへと供給タイヤが変更になってから、初めてのドライコンディションでの走行となりましたが、それは全車が同じ状況。チームはハーフウェットの朝のフリー走行、スタート前のウォームアップ走行でセッティングを確認しました。3連休の中日ということもあり、非常に多くのファンの皆さんがスタンドを埋め尽くし、予定通り14時ちょうどにフォーメーションラップが始まりました。

 フォーメーションラップ1周を終え、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが3番グリッド、関口雄飛が5番グリッドへ整列しレースのスタートを切りました。オリベイラは危なげなくスタートを切り、若干スタートで出遅れたPPスタートのNo.41 ストフェル・バンドーン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)へ2位スタートのNo.1 石浦宏明選手(P.MU/CERUMO・INGING)とともに迫っていきますが、この2台が揃って1コーナーをオーバーラン。オリベイラはその隙に一気にトップへ浮上します。しかし、4周目の最終コーナーでミスがありコースアウト。トップの座をNo.37 中嶋一貴選手(VANTELIN TEAM TOM'S)へ明け渡してしまいますが、すぐに2位でコースへ戻ります。

 一方の関口雄飛はスタート直後、すぐ後ろの6位スタートだった中嶋一貴選手に先行されてしまいますが、1コーナーをオーバーランしていた石浦選手をかわし、同じく1コーナーをオーバーランしていたバンドーン選手にもコカ・コーラコーナーにかけて並びかけますが、オーバーテイクには至らず5位のまま序盤を走行します。

 その後オリベイラは中嶋一貴選手に対し10周目時点で3.8秒の差を付けられ、関口も5位のままで、我慢のレースを強いられる展開が予想された16周目、1コーナーでスピンしコース上にストップしてしまったマシンがあったためセーフティーカーが導入されます。10周過ぎからピット作業を行っていたマシンもありましたが、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの2台はSC導入すぐのタイミングで続いてピットイン。タイヤ無交換、給油のみでピットアウト。順位をキープしたまま、コースへ戻ります。20周目レースがリスタート。スタートダッシュを図りほぼ全車がオーバーテイクシステムを使う中、オリベイラも中嶋一貴選手へテールtoノーズとなりますが、順位浮上とはならず。関口も5位のまま中盤を走行します。

 6位へ順位を上げていたNo.36 アンドレ・ロッテラー選手(VANTELIN TEAM TOM'S)に、関口が度々バトルをしかけられるも見事なブロックで順位キープ。先行を許しません。それどころか、バトルをしつつ3位のバゲット選手、4位のバンドーン選手との差も縮めて4台が超接近戦へ。残り10周を切っても、前のみを見据えている関口は、まず46周目のダンロップコーナーでバンドーン選手をオーバーテイク。4位へ浮上。しかし、ロッテラー選手も関口に続いて順位を上げていて予断を許しません。翌47周目、続けて同じダンロップコーナーでバゲット選手もオーバーテイクし、3位表彰台圏内へと滑り込んできました。気迫あふれるバトルを繰り広げ、ピット内そして観客席は大いに盛り上がりました。

 そして、オリベイラもプッシュを続け、中嶋一貴選手との差を一気に縮めていきます。49周目、こちらはホームストレートでオーバーテイクシステムをお互いに使いながら、バトルを繰り広げますが、イエローフラッグ区間でもあり、追い越しはできず。残り5周となった翌50周目のホームストレート、イエローフラッグが解除された1コーナーで見事なオーバーテイクを見せ逆転。そのまま、トップを守り切り、チームとしてもオリベイラとしても1年ぶりの優勝を果たしました。関口も3位でフィニッシュ。初表彰台を獲得するとともに、チームへ2010年第3戦富士以来のダブル表彰台をもたらしました。

 ドライバー2人が揃ってエキサイティングなレースを披露し、その実力をご支援いただいている伊藤忠エネクス株式会社様をはじめとするスポンサー各社様、またファンの皆さまに存分に楽しんでいただけたレースになったかと思います。ポイントランキングでもオリベイラが一気に2位に浮上し、チームランキングも同じく2位に食い込んできました。この結果に甘んじることなく、中盤戦以降もこの勢いを持続し、最終戦まで気を引き締めて戦います。引き続き、ITOCHU ENEX TEAM IMPULへのご声援どうぞよろしくお願いします。

ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 2016年シーズン ここまでの戦績
第1戦 鈴鹿 オリベイラ  予選17位 決勝10位 / 関口雄飛  予選3位 決勝14位
第2戦 岡山 オリベイラ  予選2位  決勝19位 / 関口雄飛  予選8位 決勝13位
第3戦 富士 オリベイラ  予選3位  決勝優勝 / 関口雄飛  予選5位 決勝3位
ドライバーランキング    オリベイラ 2位 / 関口雄飛 10位
チームランキング      ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 2位

TEAM IMPUL
Next Race & Event Information
SUPER GT 第4戦 7/23(土)~24(日) スポーツランドSUGO
全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦 8/20(土)~21(日) ツインリンクもてぎ

※オートポリス(大分県)で5/21(土)~22(日)に予定されていたSUPER GT第3戦、ならびに9/10(土)~11(日)に予定されていたSUPER FORMULA第5戦が、この度の熊本地震の影響により中止となりました。被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げるとともに被災地の一日も早い復旧を祈念いたします。SUPER GTの代替戦は、11/12(土)~13(日)に予定されている最終戦のツインリンクもてぎ(栃木県)にて2レース制で行われます。SUPER FORMULAの代替戦は、9/10(土)~11(日)の第5戦の日程をそのままに、会場を岡山国際サーキット(岡山県)に変更して開催されます。こちらも2レース制で行われます。

監督・ドライバーからのコメント
星野 一義
厳しいレースになるかと思いましたが、SUPER GTの時とは違い、今回はセーフティーカーが入ったおかげで運もうちのチームに向いたと思います。最後の最後でタイヤがバーストしたり、チェッカーを受けるまで何が起きるかが分からないのがレース。関口に関しては、すごくいい。動物的なセンスでファイトあるレースを見せてくれました。何の心配もない。今後が楽しみです。

No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
スタートは良かったのですが、ミスをしてしまい2位へ落ちてしまいました。イエローフラッグが出ていたことをうまく利用でき、オーバーテイクにつなげられました。フォーミュラニッポンとスーパーフォーミュラ合わせて10勝目ということで、すごくうれしいです。さらに頑張ります。

No.20 関口 雄飛
前半は苦しいレースとなりました。ロッテラーとのバトルに関しては、絶対に引くのだけはやめようと走っていました。粘れたからこそこの3位という結果を得られたと思います。優勝できなかったことは悔しいですが、皆さんに喜んでもらえてうれしい。応援ありがとうございました。

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