マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、今は優勝に手が届かない状態であるが気持ちが落ち込んでなどおらず、チームの改善のため全員を叱咤激励していると語った。
2015年に新生マクラーレン・ホンダに移籍して以来、アロンソの最高位は5位にとどまり、昨年の獲得ポイントはわずか11点、今年も第10戦を終えた時点で合計18点にとどまっている。
だがアロンソは今も前向きな気持ちを保っているという。
「僕は人生の中でやることすべてに勝ちたいと思う男だ。いつも次のグランプリや次の機会が来るのを指折り数えて待っている」とアロンソはSky Sports F1に語った。
「苛立ちはある。それは間違いないよ。チームの皆が気を抜かないよう、休み過ぎないよう、皆を見ている。僕は休みを取らないのだから」
今もマネージャー的役割を果たしているフラビオ・ブリアトーレは、フェラーリを離れてマクラーレンに移籍するようアロンソを説き伏せたのは自分の失敗だったと最近語った。
「私はホンダは競争力を発揮すると思った。マクラーレンはすぐに問題を解決できると思ったから、彼にサインするようアドバイスした。それはある意味、私の誤りだった」「あるジャーナリストが彼はまた勝てるかと言ったら、皆が笑ったのだ」とイタリアメディアに対してブリアトーレは発言した。
しかしアロンソは来年こそはブリアトーレがポジティブになれる結果を出したいと語った。また、フェラーリではやれることはすべてやり尽くしたとして、移籍に後悔はないとも述べている。
「彼がなぜそういう発言をしたのかは知らない。彼はこのプロジェクトに加わるよう僕を説得したひとりだった。来年は彼を多少満足させられることを願っている」
「このプロジェクトに加わるよう説得されたものの、その後のこのチームのパフォーマンスを見て、彼が悲しんでいるのは間違いない」
「でも僕は後悔していない。ある場所で何かをやり終えたら、そこを去るべき時だ。フェラーリを去る時、僕はそういう風に感じていた。僕はベストを尽くした。いい形で終える、完璧なタイミングだったんだ」
3度目のタイトルを取れずにいるのは悔しいが、それでも自分はドライバーの中でチャンスに恵まれた方だとアロンソは考えている。F1では非常に優れたドライバーであっても力を発揮する機会を得られない者も多いと言い、そのひとりとしてフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグを挙げている。
「そのこと(3度目のタイトルに届かずにいること)には不満がある。でも幸運にも2回タイトルを取ることができた」とアロンソ。
「才能がとてもあるのにそういう機会に恵まれないドライバーもいる。オーストリアでニコがフロントロウについた。(決勝前の)ドライバーパレードで一緒にいる時、彼は『初表彰台に上りたい』と言っていた。彼はとてつもない才能を持ったドライバーだ。(彼が表彰台に一度も立てずにいることを考えれば)自分が勝てなかったり達成できないことがあったりしても、苛立ちを覚えることなんかできないよ」