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「グリップレベルで1秒差は未経験」。各陣営トップに聞くソフトタイヤの第1印象

2016年07月18日 19:11  AUTOSPORT web

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18日に富士スピードウェイでおこなれたメーカーテストで、各ドライバーはソフトタイヤで走行を重ねた
富士スピードウェイで開催されたスーパーフォーミュラのメーカーテスト。各チームは第4戦もてぎ限定で導入されるソフトタイヤをテストした。この新スペックタイヤの印象を各ドライバーに聞いた。

 午後のセッションでトップタイムを記録、総合でもトップとなったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は「ソフトタイヤはグリップ力が高いね。コーナーでもブレーキングでも良い性能を発揮してくれる。ただグリップ力が高いんだけど、それ以外の部分は特に変わらないという印象かな。でも、みんなが思っている以上に良いタイヤだと思う」と第一印象を明かす。

 なお、第4戦もてぎでは、各チームに支給される新品タイヤ4セットのうちソフトが2セット、従来スペックのミディアムが2セットという振り分けになる。これについては、「レース戦略に関してはスターティンググリッドによって大きく変わると思う」と言う。

「ミディアムタイヤは(ソフトタイヤと比べて)ラップタイムが遅くなってしまうから、ミディアムを少しだけ使って、ソフトでロングランという戦略もありだね。ソフトは思ったよりも長持ちするから、こういった戦略も可能かな」

「ただ、正直、今の段階で戦略を具体的に予想するのは難しい。間違いなく面白いレースになるとは思うよ。ソフトとミディアムのタイム差はラップあたり約1秒。その辺では大きく違うタイヤだと思う」

 ホンダ陣営トップの総合2番手タイムを記録した山本尚貴(TEAM 無限)は、ソフトタイヤについて「バランスが大きく変わることなく、単純にグリップレベルが上がって、タイムが大きく上がったというのは確認ができました」と述べ、こちらも好印象を持った様子だ。

「今回のデータが次のもてぎ戦に反映されると思いますが、(タイム)結果以上の収穫がありました」

 また、「通常のレースをみていても1秒違うだけで追い抜くのはなかなか難しいんですけど、タイヤのグリップレベルで1秒違うというのは、今まで経験がありません。そう考えると、追い抜きは多少なりとも、これまで以上にしやすいかなと思います」と、年々難しくなりつつあるオーバーテイク増加の可能性についても触れている。

 ソフトタイヤのポテンシャル自体も見どころだが、このソフトタイヤを含めた新品タイヤが、予選でどう使われるのかも気になるところ。これまではQ1~Q3で各1セットずつ新品タイヤを投入して勝負するというのが定石の流れだった。しかし、もてぎではタイムの出るソフトタイヤは2セットしか用意されず、すべての予選セッションを新品タイヤで走るには、どこかで必ずミディアムを投入する必要がある。

 これについては、上述のオリベイラも「現状ではなんとも言えないが、おそらくソフト、ソフト、ミディアムという使い方になるだろう」とし、大半のドライバーも「Q1からソフトタイヤを使わないと、ノックアウトされてしまう」という見解を示している。

 これらの意見を踏まえると、仮にQ1をミディアムでも通過できるマシンを用意することができれば、ポールポジションのかかるQ3で新品ソフトを投入できるチャンスが生まれてくる。レースを考えれば、ポールポジションは誰もが欲しがるものだが、それ以上に重要なのは、ポールシッターにはポイントランキングで1ポイントが加算されるという点だ。

 今季は、選手権上位を争うドライバーがランキングで接近しており、この1ポイントが終盤に効いてくる可能性は十分にある。

 こういった部分も含めて、今年のもてぎ戦は見どころが豊富であることは間違いない。もてぎ戦前に、このソフトタイヤを試すことができるのは今日1日のみということもあり、各チームとも手探り状態で、まだまだ試しきれていない部分がある様子。次戦はこれまで以上に、予選から白熱した展開となりそうだ。