マクラーレン・ホンダのリザーブドライバーにして、DOCOMO TEAM DANDELIONからスーパーフォーミュラに参戦中のストフェル・バンドーンは、自分が来季のマクラーレンのレースドライバーに適格であることを証明するために、できることはすべてやったと考えている。
マクラーレンは、2017年に誰がフェルナンド・アロンソのチームメイトになるかについて、夏休み明けまではジェンソン・バトンともバンドーンとも話し合いを持たないという姿勢を示している。また、バトンはまだ自身の将来について考えを決めていないと明言し、現時点での彼の今後に関する推測は、いずれも「根拠のない噂」にすぎないと述べた。
もっとも、最近では、バトンはすでにウイリアムズと来季についての交渉を行っていることが明らかになっている。ウイリアムズは2000年に彼がF1デビューを果たした古巣だ。
2014年からマクラーレンのリザーブドライバーを務めるバンドーンは、チームが今季はバトンをキープすることを選んだため、レギュラー昇格のチャンスを逃した。しかし、今年は負傷したアロンソの代役としてバーレーンGPでF1デビューを果たし、見事にポイントを獲得している。
「一番の目標は、来年F1でレースをすることだ。それは変わっていない」と、先週シルバーストンのインシーズンテストでマクラーレンをドライブしたバンドーンは言う。
「僕にはマクラーレンとの契約があり、来年もこのチームにいたい。チームやエンジニアと過ごしてきた時間も長いから、(F1でレースをする)準備はすっかり整っていると感じる。レースドライバーの座を手に入れるために僕ができることは、もうそれほど多くは残っていない」
「このチームでレースができればいいとは思っている。ただ、以前から言っているように、それはいろいろな理由があって実現していない。他の選択肢もいくつかあるので、僕としては楽観的だよ。大勢の人が、僕は何をしているのか関心を持ってくれるけど、今年は来年に向けての準備の年だ」
■バンドーン、日本のスーパーフォーミュラの経験をF1へ
「僕としては、当面はリザーブドライバーの役目に専念する。でも、それと並行して参加しているプログラム(日本のスーパーフォーミュラ)が、レースの感覚を磨くのに役立っているから、必要なときにはいつでもF1に乗れるよ」
先週末、彼は富士で行われたスーパーフォミュラで、初のポールポジションを獲得した。しかし、決勝ではブレーキトラブルに見舞われ、メインストレートエンドでスピンを演じて大きく順位を下げ、レース終盤にリタイアを余儀なくされた。
第3戦を終えた時点で、彼はシリーズポイントでは8番手にとどまっているものの、このシリーズへの参戦がドライバーとしての成長に役立っているという。
「いい勉強になるのは間違いない。日本のスーパーフォーミュラは速いし、高速コーナーではかなりのダウンフォースがある。そして、レースだけではなく、クルマを開発していく思考プロセスを磨くのにも役立つね。日本ではセットアップをすごく厳密に詰めていく。それが僕にとっては楽しいし、これからがさらに楽しみだ」
一方、バトンはイギリスGPを終えた段階で、今後のことについては、まだ当分動きはないと思うと語った。
「チームが明らかにしたように、9月まで来年に関する話し合いをする予定はない。だから、いったいどこからいろんな憶測が流れてくるのか、不思議で仕方がないね。来年はどうするのか、僕自身が考えを決めない限り、今後のことなんて誰にもわかるはずがない」
「まあ、そのときが来れば分かるさ。とりあえず、僕はできるだけレースを楽しむつもりだよ」