全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦富士で、悪い流れを断ち切りたかった小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)。決勝での追い上げが期待されたが、全体的にペースを上げることができず10位フィニッシュ。今回もポイントに手が届かなかった。
中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)がフリー走行でのクラッシュで欠場となり、ひとつグリッドが繰り上がり、8番手スタート。スタート直後は中団グループのバトルに加わると、ヘアピンで国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)に追突してしまう。
可夢偉はこの接触でドライブスルーペナルティを受け、後手を踏む展開となってしまった。
加えて、レース全体を通じてペースが伸び悩んだ。スタートで装着したタイヤの内圧がコンディションに合っておらず、適正なものを求めてピットで4輪ともタイヤ交換を実施したが、新たに装着したタイヤも内圧が合っておらず、最後まで我慢を強いられるレース展開となった。
1周目の接触について、可夢偉は「1コーナーで誰かに押されて遅れてしまいました。その時に国本とアンドレ(・ロッテラー)に抜かれて、ヘアピンまでアンドレとポジションを争った」と振り返る。
「(アンドレと戦っている際)ヘアピンで国本が急にインに飛び込んできて、そこで接触しました。僕のマシンはフロント部分の先端が壊れましたが、特に走行には影響ありませんでしたよ」
結果的には追突したとの裁定が下されたが、可夢偉としては避けきれないレーシングアクシデントだったと捉えているようだ。また、タイヤの内圧に影響されたことは認めつつも、全体的にマシンのパフォーマンスが不足していたとも語っている。
「序盤からタイヤの内圧を外していて苦しかったでずね。ポジションも後ろの方だったので、すぐにピットに入って内圧が適正になっているタイヤに交換したいと伝えて、早めにピットインしました」
「しかし、内圧のセッティングが間に合わず、装着したタイヤは内圧が高すぎました。結局、1番ベストな状態では走れませんでしたね。ただ、今週は全体的に速さが不足していて、タイヤだけがパフォーマンス不足の理由ではないですね」
「今週末は(第2戦岡山から)大幅にセッティングを変えて持ち込みましたが、結局ほとんどのセッションが雨でセッティングを煮詰めていく時間がありませんでした。今回はギャンブルに出るような形で持ち込んだので、それがあまりいい方向に向いていなかったのかな、というのが今週末の感想です」
翌18日には富士スピードウェイでメーカーテストが行われ、シーズン中では数少ないテストの機会となる。ここで少しでもデータを収集し、上位進出のきっかけを掴みたいところだ。